生徒会長さんの溺愛、とめられない。
……ん? 夏帆ちゃん、どうしたんだろう……?
なんか、怒ってる……?
「3人までしか、乗れないんですか……?」
「うそ………あ! 二人ずつで分けたら……」
ええっと………ここの観覧車って、一台3人までしか乗れないんだ……?
「もうしわけありません。混み合っているため、3人ぴったりで乗っていただけないかと……次の台は二人用なんですが……」
かほちゃんの前には、深々と頭を下げたスタッフさんがいた。
私達がもうすぐ乗る予定のものは、椅子が3つの横並び個室で、次のゴンドラはかなり小さめの個室になっていた。
なるほど、キャラクターの子たちの大きさにあわせた観覧車なんだ……! 可愛い……!
………って、そうじゃない……!
「えっと……じゃあ夏帆ちゃんたち3人で、観覧車乗りなよ。私は……違う方と乗るからさ」
「………いやいや、それは―――」
「それでよろしいですか? それでは、どうぞお乗りください………!」
私の意見に納得できないといった様子の三人だったけど、もうすぐ私達が乗るゴンドラが来てしまう。
急いだ様子のスタッフさんは、先頭のお客さんの誘導のために走っていってしまった。
「雪………正直、お前と乗る奴………あやしーぞ」
「………私も心配。メガネに帽子にマスク? 不審者の格好でしょ………」
「あんな狭い個室で、何されるか分かんねーだろ」
………あはは………そうだけどっ。
なんだか、見れば見るほど葉月先輩にしか見えなくなって………っ。
心配そうな顔をして、私を見つめているみんながゴンドラに乗りこむのを見送ったあと、私は振り返った。