生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「すみません………相席になってしまって……」
「………」
もしかしたら違う人と乗りたかったかもしれないのに………葉月先輩に似てるからって……私が決めつけて………っ。
「私なんかと乗るハメになってしまって……あなた、知り合いに似ているんです。だから安心できるかなって………」
「………知り合いに似てるからって……相席するなよ……」
あ……やっぱり声、似てる………。
葉月先輩、じゃないと思うけど………まさかね。
「すみません。………声もそっくりで………最近、話せてないんですけど………」
「……本人じゃなかったらどうなってるか分かんねーだろっ………」
「………っえ?」
メガネとマスクと帽子をつかんだその男性。
………うそ、でしょ?
メガネが外れ、マスクを取り、帽子を脱いでサラサラの黒髪があらわになった。
「葉月、先輩………っ?」
そこには、真っ赤な顔をした、葉月先輩がいた。