生徒会長さんの溺愛、とめられない。
……え。
これって痴漢……だよね。
初めてのことに、恐怖を覚える。
そう考えている間もどんどん触られていく。
こ、怖い……!!
私の目からは、涙が溢れ出した。
誰か、助けて——。 そう思ったその時だった。
「——オイ、雪に汚い手で触れるな」
私の前に、大きくてたくましい背中。
サラサラな黒い髪の、図書室の彼が、痴漢さんの手を振り払った。
「なんだよ、ガキが。俺は何もしてねぇし」
怒っている痴漢さん。
——でも、その目は怯えているように見える。
「雪に手出しておいて、しらばっくれんなよ」
イケメンさんは私の方を見て、「雪、大丈夫か」と言い、パーカを着せてくれた。