生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「悪いな、雪……。続きはあの中で話そうか」
スタッフに促されるまま、ゴンドラに乗りこむ。
目を伏せ、腰を下ろす雪。
そのまつげの長さに、ごくりと唾を飲み込んだ。
「あの………すみませんでしたっ……! 図々しくて……」
「はぁ……?」
ガラスから見える景色が、少しずつ小さいものに変わっていった頃、雪がごにょごにょと口を開いた。
その言葉が衝撃的すぎて……思わず俺とは思えない気の抜けた声が出た。
図々しい……? どこがだ……。
本当に、自分を卑下しすぎというか……雪が謝ることなんて、全くないのに。
「悪いのは、全部私で――」
「そんなことないだろ……雪は優しすぎる」
終業式の日……俺は雪に最低なことをした。