生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「こらぁー! 葉月、いつまで寝てんのよー!」
「んぁ? あ、姉ちゃん………おはよ」
バチンと頬に衝撃が走り、くっついて離れそうになかった瞼を強制的に開かされた。
顔に姉ちゃんの髪の毛がかかっている。
く、くすぐってぇ……。
「つーか俺……どれくらいねてたんだ……?」
目をこすり、姉ちゃんに聞く。
「丸二日間くらいは寝てたんじゃないの……」
「はあ……⁉ 嘘だろ姉ちゃん……!」
「葉月相手にそんなウソ、つかないわよ。……スマホでも見たら?」
姉ちゃんに促されるままスマホを開くと、”7月24日”と記されていた。
待てよ……7月24日って……。
『あー!そうだ雪! 7月24日と25日遊びに行かない?』
翔平と雪のデートの日……だよな……。
今ごろ……翔平と雪は……楽しく遊園地か……?
もしかしたら翔平は告白して……上手くいってるのかもな。
雪の華奢で愛らしい身体を……抱きしめたりしてるのか。
雰囲気に流されて……キスとか……していないだろうか。
「どしたの? 葉月……頭抱えちゃって……」
「……姉ちゃん。今何時だ……?」
頼む……午前中であってくれ……!
「……7時だけど……何あんた。必死すぎて怖……」
「どっちだ……⁉ 午前か……?」
「ええ。早起きさせようと思ったの……怒らないでよ」
ナイスだ姉ちゃん……!
心の中で姉ちゃんに感謝しながら、適当なものを着て家を出る。
「ちょっと葉月……⁉ どこ行くの……⁉」
「あー……ネズミーランド……!」
「へえ……って、はあ……⁉」
……こうして、今に至る。