生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「そ、そんなことが……私、葉月先輩に気まずい思いさせちゃったのかと……」
「心配させて……悪かったな」
雪は、こんな俺にも……優しいな。
あー……クソッ……。
熱で、あんな乱暴なキス……しなければ……っ。
最後に、雪を抱きしめたい……。
「ネズミーランドでは、観覧車でハグすると、新しい関係が……」
「築ける……らしいぞ……」
気付いたら、俺はそんなウソをついていた。
「え……そんなジンクス、あったんですね」
信じるな、雪……。
それは、俺の口から出た、でまかせだ。
「恥ずかしいですけど……ん、どうぞ……」
雪は、俺の方に両手を出す。
……は……?
疑問も感じたが、その言葉を聞くと、俺の腕は勝手にのびていて。
ぎゅっ。
ふわりと、甘くて愛らしい香りがした。