生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「しょ、翔平………」
「な、なんで泣いてんの……大丈夫?」
「お前………天然なのは分かるけど……」
雪はポケットから可愛い水色のハンカチを差し出した。
……雪……かわいい……。
ていうか俺、泣いてんの……?
やばい、やばすぎる………引かれる。
「泣いてまで……ふふっ、ありがと翔平」
あ、あれ………?
これって嬉しい涙だったのか……?
俺の頭の中はごちゃごちゃになった。
「え、ありがとって何? 友達やめたんじゃないの」
俺と同じで困惑した状態の男がひとり。
大雅は、雪に顔を近づけてぐいぐいと質問を重ねた。
た、大雅さん……?
眉間に深くシワが刻み込まれている。
なんでも分かっている物知りな大雅は、無知な状態が一番嫌いで、すぐに質問をする。