生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「翔平……! はやいよ……!」
観覧車のあとは、コーヒーカップに二人ずつで乗ることになった。
もちろん俺と一緒に乗ったのは雪だ。
「ううっ……きもちわるくなっちゃう………」
「……へっ、え……っ」
喜びすぎてグルングルン回していたら、雪がキュッとしがみついてきた。
俺の胸元に顔をうずめている雪。
綺麗な髪の毛と首筋に、ごくりと息をのむ。
………さ、さわりたい……。
「あいつ……」
「ふはっ、鼻の下伸ばしてやがる」
夏帆ちゃんと大雅がなにか言っていて、俺は我に返る。
さっきまですごく速く回っていたコーヒーカップは、今は緩やかに回っている。
「雪………」
「……ん?」
俺が話しかけるとさらに身を乗り出した雪。
友達だからって……危機感と距離感がおかしいって!
雪の頭に手をやり、俺は目をそらす。
「………近い……」
おそらく、顔は情けないくらいに真っ赤だっただろう。