生徒会長さんの溺愛、とめられない。
雪に手をひかれ、俺らの方に走ってくる大雅と雪。
う、わ……雪と手繋いでる……ずる……。
そういや、雪と大雅って幼馴染だったっけ。
雪のお兄さんと料理友達みたいだし……。
「………雪と大雅、お似合いじゃない?」
俺と同じことを考えていたのか、ふてくされた態度で夏帆ちゃんが言った。
「まあ、二人とも成績優秀だし、幼馴染だし、美男美女だし?」
「……そうだよね」
「でも、大雅が好きなのは夏帆ちゃんでしょ?」
なんせ、大雅の一目惚れだしね。
大雅はいっつも夏帆ちゃんが可愛いとか、惚気ばっかりだし。
でも、夏帆ちゃんは悲しそうな顔をした。
「大雅、私に冷めてるんだよ」
「……はあ? なんでよ」
そんなことないと思うけど。
だって今日、結構ラブラブだったじゃん?
「それは―――」
「夏帆、なんで呼んだの?」
言いかけた夏帆ちゃんを、大雅が遮った。
夏帆ちゃんは涙目の顔を見られないよう、大雅から顔をそらす。
その代わりに、俺が説明した。
「やっぱり二人きりだよねっ……もちろんオッケーだよっ……」
「あ――……ごめん無理」
雪は夏帆ちゃんを応援するようにオッケーしたが、大雅は……渋い顔で断った。