生徒会長さんの溺愛、とめられない。


【side 雪】


「やべえ……どうしよぉ……」


夏帆ちゃんと翔平が去って、二人になった途端。

大雅くんは独り言を言いはじめた。


「夏帆に嫌われた……だって今日可愛すぎんだもん、無理……」


どうやら、上手くいってないと思っているのはこの人もみたい。



「雪ぃ………夏帆と仲直りしたい……」


助けを乞うように、私にしがみついてくる大雅くん。


「もぉ! うるさいよ大雅くんは……!」


はぁ………。

……夏帆ちゃんが思ってるほど、クールキャラじゃないよ………この人は。


「大体なんで私と二人? そんなにイチャイチャしたいなら夏帆ちゃんと二人になればいいのにっ……」


「だって引かれるし、キスしたいとか変態だと思われるだろ」


そんなの知らないよ……!

はぁ……早くみんなと合流したいよ……。


「大雅くんは言葉足らずだよ……いつも可愛いって思ってるなら、たまには言ってみたらどうかな?」

「うわ……恥ずい……」


なんでこんなに恥ずかしがり屋なのかな……?

夏帆ちゃん、喜ぶと思うのに……。


「ちゅーとか色々、してみてもいいかな?」


「夏帆ちゃん困らせない程度に、どうぞ」


「んじゃ、夏帆のところに行ってくる!」


大雅くんは、夏帆ちゃんがとにかく大好き。

キスがしたいのも、夏帆ちゃんを大事にしようと我慢してる。


別にそれはいいけど………なんだろう。


「わ、私も行くんだよ……!?」


ちょっぴりヘタレで、言葉足らずだ。

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