生徒会長さんの溺愛、とめられない。
それ、ほんとに謝ってるのかな……あはは……。
「雪ー! しょーへい!」
「温泉行くから早くしろ。翔平の母ちゃんも怒ってんぞ〜!」
「ええっ。まじかよ〜」
そうだ、温泉……!
楽しみだな!
ここの露天風呂はとっても広くて、朝焼けや夕焼けがきれいに見れるみたい。
朝風呂とかも入りたいけど、贅沢すぎるかなっ。
「雪ちゃん、夏帆ちゃん。はじめましてー!」
ぼんやりとしていたら、翔平ママが話しかけてくれた。
「はじめまして! 今日はありがとうございます!」
私がそう言ったあと、夏帆ちゃんがニコニコしながら会釈する。
うわ、翔平ママ、めっちゃ綺麗……。
スラッとしていて細く、若くて、お世辞抜きに私達との年の差が分からない。
それに、すごくいいにおい……。
私と夏帆ちゃんが羨望の眼差しで見つめているのに気づいたのか、翔平ママは目尻を下げて笑った。
「二人とも可愛いわね! 翔ちゃんが迷惑かけてないかしら?」
「いえいえ、そんな!」
「元気もらってます!」
元気すぎるくらいだけど、翔平がいないとテンションが下がっちゃう。
「ふふっ。お風呂、ここかしら?」
のれんをくぐると、鼻にすっと木の香りが入りこむ。
履いていた靴を脱いで、少し湿った床をペタペタと歩く。
服を脱いでタオルを巻いたら、お団子姿の夏帆ちゃんと目があった。