生徒会長さんの溺愛、とめられない。
【side 翔平】
「雪ちゃん!!??」
「雪、どうしたの!?」
壁越しに聞こえた悲鳴に、肩がビクッと震えた。
ど、どした……!?
「今のって夏帆の声だよな」
「っておい、翔平!! 滑るぞ!」
雪………!!
俺は男子風呂を出て浴衣を着て、急いで悲鳴の方へと向かった。
………って、女子風呂じゃんか。
てか、マジで何があった……!?
「あ!! 夏帆ちゃん!!」
「翔平……? 早いね!」
浴衣姿で髪の毛を束ねている夏帆ちゃんが目に入る。
そっか、男子と女子の待ち合わせってここだもんな。
まだ蓋の空いていないコーヒー牛乳を片手に、夏帆ちゃんは目を見開いた。
「なんか悲鳴聞こえたからさ。 なんかあったの?」
「えっと、雪が倒れたの!」
た、倒れた………!?
「大丈夫かよ」
「熱があったみたいで、今部屋で休んでるよ」
熱か………。
「あのさ、俺行ってきてもいい?」
「ああ、部屋? いいけど………」
夏帆ちゃんの了承を得て、俺はカードキーをもらって男子部屋の隣まで来た。