生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「雪、母さん……? 入るよー……」
母さんは別の部屋だけど、いるかもしれない……。
応答がなかったけど、鍵を開けて中に入る。
ここが女子部屋か。
隣の部屋だから、男子部屋と対して変わんねーな。
「あれ……? 翔平!!」
寝室をノックし、引き戸を開けると、元気そうな雪の笑顔が見れた。
「雪! 元気そうじゃん」
「あはは……知恵熱ってやつかな?」
「え? なんかあったの?」
俺がそう言うと、雪は少し表情を曇らせたあと、「なんでもないよ」と誤魔化した。
……ん? 言ってくれないなんて珍しい……。
「なんかあったら言えよ? 俺、雪の力になりたい」
「ありがとう、翔平!」
照れくさそうにはにかむ雪。
マ、マジで可愛いな!
俺は、雪の笑顔に思わず黙ってしまった。
慌てて、次の言葉を探す。
「そ、そうだ雪………」
俺が口を開いたのとほぼ同時。
プシューっと不穏な音が聞こえ、真っ暗になった。