生徒会長さんの溺愛、とめられない。


え……!??


「なに? めっちゃ暗い」


「しょ、へい……?」


「雪!? 大丈夫か?」


もしかして、停電か……?

そういえば、雷注意報出てた気が……。


いやでも、風呂のときは晴れてたし……。


俺の頭の中はグルグルしている。


「そういえば、雪。暗闇苦手じゃ………」


………っ!?


「しょ、翔平!! 怖いっ……」


助けを乞うように、俺に抱きついてくる雪。


俺の頭の中はグルグルどころか、逆に真っ白になってしまった。


雪は暗闇が怖くて抱きついているだけなのに……。


心臓の音が速くなっていく。

 
やばい。この音、雪に聞こえてるんじゃ……っ。


「翔平……! 怖いよっ……」


震えた声で俺の名前を呼ぶ雪。


その声で、我に返った。


ギュッ。


「安心して、俺もいるから」


俺はそう言って、雪をふわりと抱きしめた。


 

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