生徒会長さんの溺愛、とめられない。
あれ……?
何やってんだ、俺?
「うわぁっ、ちょ、ごめん!!」
我に返ったとか言っておきながら、全く正気を保てていない……っ。
俺は焦っていることを隠しつつ、雪の頬に手を添える。
顔をアップにして、「ごめん」とつぶやいた。
その瞬間、古びた音が聴こえ、視界が良好になった。
「明るくなったー!」
「うわ、まぶしいな」
ニコニコしていて、嬉しそうな雪。
小動物感が半端なく………可愛い。
「んじゃ、俺はビュッフェ行って来ようかな。雪はどうする?」
「私も一緒に行ってもいい?」
「うん………あ!」
雪の浴衣の胸元が少しはだけているのを見つけて、俺は紐をつかんで結び直した。
……ベッドで寝てたから、浴衣が崩れるのは当然だろうな。
「え!? 翔平、今なにした?」
「紐。ほどけてたから」
「あ、ありがと……」
……ん? 俺、変なことしたか……?
雪の態度に若干疑問を抱きつつも、俺は雪とビュッフェ会場に行った。