シロツメクサの約束~恋の予感噛みしめて~
「ここは、改装するときに俺が無理を言って作ってもらった」
答えが返ってくるとは思っていなかったので、驚きて肩がびくっとなった。
「朝陽くん!」
「悪い、驚かせたか?」
「ううん。大丈夫。片付けは終わった?」
「まぁ、だいたい。明日の朝、スタッフに怒られない程度には」
肩をすくめる彼の姿に、私は頬を緩めた。
「食事がとれそうなら、一緒にどうかな?」
「行きたい!」
私自身の治療は随分前に終わっている。口内に違和感もなく、食事は問題なくとれそうだ。
「よかった、実はもう予約してある」
「え、私が無理だって言ったらどうするつもりだったの?」
「ひとり寂しく飯を食うことになっただろうな」
なんとなく想像してしまって、笑ってしまった。
「しかたないから、つき合ってあげるね」
わざと高飛車に言うと、朝陽くんがおかしそうに笑う。
「ありがとう、優しいな奈穂は」
彼は車のキーを手にして、私に外に出るように促した。
車に乗ること三十分。
朝陽くんが連れてきたのは、スタイリッシュな高級中華の店だった。雑誌に何度も掲載されているのを見ては「いつか来たいな」と思っていたところなので、思わず興奮してしまう。
「せっかくだから、もっとおしゃれしてきたかったな」
仕事帰りなので仕方ないとは思いつつも残念だ。
「次くるときはおしゃれすればいいだろう」
それはまた連れてきてくれるということだ。彼の言葉ひとつで私の心が浮上して笑顔になる。
個室に案内されて、メニューを渡される。
私は治療の後だし、朝陽くんは車を運転するのでふたりともウーロン茶で乾杯をした。
答えが返ってくるとは思っていなかったので、驚きて肩がびくっとなった。
「朝陽くん!」
「悪い、驚かせたか?」
「ううん。大丈夫。片付けは終わった?」
「まぁ、だいたい。明日の朝、スタッフに怒られない程度には」
肩をすくめる彼の姿に、私は頬を緩めた。
「食事がとれそうなら、一緒にどうかな?」
「行きたい!」
私自身の治療は随分前に終わっている。口内に違和感もなく、食事は問題なくとれそうだ。
「よかった、実はもう予約してある」
「え、私が無理だって言ったらどうするつもりだったの?」
「ひとり寂しく飯を食うことになっただろうな」
なんとなく想像してしまって、笑ってしまった。
「しかたないから、つき合ってあげるね」
わざと高飛車に言うと、朝陽くんがおかしそうに笑う。
「ありがとう、優しいな奈穂は」
彼は車のキーを手にして、私に外に出るように促した。
車に乗ること三十分。
朝陽くんが連れてきたのは、スタイリッシュな高級中華の店だった。雑誌に何度も掲載されているのを見ては「いつか来たいな」と思っていたところなので、思わず興奮してしまう。
「せっかくだから、もっとおしゃれしてきたかったな」
仕事帰りなので仕方ないとは思いつつも残念だ。
「次くるときはおしゃれすればいいだろう」
それはまた連れてきてくれるということだ。彼の言葉ひとつで私の心が浮上して笑顔になる。
個室に案内されて、メニューを渡される。
私は治療の後だし、朝陽くんは車を運転するのでふたりともウーロン茶で乾杯をした。