シロツメクサの約束~恋の予感噛みしめて~
第四章
第四章
十数年ぶりにやってきた、小高い丘の展望台は以前とは違って見えた。大好きだったパンダの乗り物も、滑り台もずいぶん小さく感じる。
「こんなに小さかったかな?」
仕事柄普段園庭で子どもが遊ぶ遊具は見慣れているはずなのに、自分の記憶の中と照らし合わせるので違和感を覚えるのかもしれない。
「俺たちがでかくなったんだろ」
「それはそうだよね、あの頃から何年だろう。また朝陽くんとここにくるとは思わなかったな」
ふたりでゆっくりと歩きながら、当時のことを思い出す。
「ここに来たのは、一度だけだったよな。奈穂がシロツメクサの冠が欲しいってだだこねて」
当時のことを思い出しているのか、朝陽くんがクスクスと笑う。
「だって、私が作ったらすぐにバラバラになったんだもん。朝陽くんは器用だったからとっとも上手だったよね」