私がこの世で一番大好きな人
 門番みたいな人と二人が短く挨拶を交わす。

 オリバーの家と比べると何倍も大きいその建物に入り、ベッドのある部屋に運ばれる。

 彼が違う部屋に運ばれそうになったので、痛む体を無理矢理動かして止める。


「そうだった。同じ部屋にしないとだった」


 金髪の人はそう呟くと、隣のベッドに彼を下ろす。
 「あー、重かった」と愚痴をこぼしながら、茶髪の人と部屋から出て行く。

 私も彼と同じようにベッドに下ろされていたけど、少しでも彼の近くにいたくて、気力で体を動かし近くに寄る。

 着ていた上の服は脱がされていて、巻かれている包帯が赤く染まっていた。

 金髪の人が言ってた通り息が浅い。
 それに苦しそうに顔を歪めている。
 早く腕のいい術師とやらを連れて来てほしい。

 そう思っていると、先程の二人と彼と同じ黒髪の男が入ってくる。
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