私がこの世で一番大好きな人
 キャロルさんが私の服を脱がそうとするので、咄嗟に服を押さえる。


「服を脱がなきゃ体を綺麗にできないでしょ? あ、もしかして恥ずかしいのかしら? 女同士だし、そんなに恥ずかしがらなくても平気よ」


 そうは言われても人前で裸になるなんて恥ずかしくて抵抗するが、簡単に脱がされる。
 そして、優しく丁寧に頭や体を洗われる。


「折角綺麗な色してるのに、あなたのことを閉じ込めていた人は何を考えているのかしらね。今まで手入れしてないなんて信じられないわ。私だったら、毎日丁寧に手入れしてあげるのに」


 髪を洗いながら彼女がそう溢していた。
 自分の見た目なんて今まで気にかけたことなかったけど、そんなに私の髪の状態はよくなかったのだろうか。
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