私がこの世で一番大好きな人

「まあ、目が覚めてよかったよ。それにしても、この子可愛いな」


 彼がイアンさんのことを軽く睨む。
 イアンさんの話だと友人らしい彼のことを睨むのはよくない。


「リュカ、友達のことをそんなに睨むのよくないよ?」

「いや、これは違うんだ。……リーベは優しいね」


 何が違うのかよくわからないけど、頭を撫でられてうやむやにされる。
 やはり彼に撫でられるのが一番安心する。


「ふふ、やっぱりこの子可愛いよな」

「リーベが可愛いのは本当だけど、さっきから何なんだ」


 また睨んでる。
 さっきよくないって伝えたのに。


「そう怒るなよ。この子さ、お前が気を失ってる間に、リュカから少しでも離されそうになったらすごい嫌がるんだ。風呂に入れた時以外は、ずっとお前の近くにいたよ」

「ずっと近くにいてくれたの?」


 イアンさんと話していた彼が、先程とは違う優しい笑みを浮かべてこちらを見る。
 やはり彼はこうして笑っている方がいい。


「リュカのことが心配だったから。……駄目だった?」

「駄目なわけない。リーベがずっと近くにいてくたの嬉しいよ。ずっと傍にいてくれてありがとう」


 彼がまた抱きしめてくる。
 人前では恥ずかしいからと伝えると、彼は不満そうに離れていく。
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