私がこの世で一番大好きな人
「おい、流石に少しやりすぎなんじゃないか?」
「リュカ、お前は優しいなぁ。けど、こいつにはこうやって教育してやんないとわかんないんだよ」
「おい、リーベ起きろ」というオリバーの声が聞こえ、重い体をなんとかして起き上がらせる。
「黙ってないでこいつに自己紹介でもしたらどうだ? 初対面の人には挨拶するって教えたよなぁ?」
「……っ、ごめんなさい。私は、リーベです。オリバー様に、ここで……立派な妖精に、なれるように、教育してもらってます」
痛みと恐怖で所々詰まりながら挨拶をする。
こんなの全部嘘だ。
教育という体で、オリバーは私にただ暴力を奮ってくるだけ。
機嫌が悪いから、私が反抗的な態度をしたから、目が気に食わないなど、色々な理由をつけては暴力を奮ってくる。
その度に私はそれを耐えるしかない。
こんな足枷さえなければ、こんな男簡単に倒せるのに。
「よく出来たなぁ」
オリバーは満足気に私を見る。
どうやら挨拶は今のであっていたらしい。
「もう俺は満足したから、もうそろそろ飲まないか?」
それに安心していると、オリバーの横にいる男がそう言って、オリバーを連れて部屋を出て行く。
今日はこれで終わりらしい。
もっと酷い日もあるから、これだけで済んでよかった。
特に痛むお腹を抑えて横になる。
緊張感がとけたからか、眠気が襲ってくる。
それに身を委ねて眠りにつく。