私がこの世で一番大好きな人

「こんな時に何言ってるんだって思うかもしれないけど、君に一目惚れしたんだ。好きだから、より助けてあげたいって思った」


 “一目惚れした”、“好き”。

 この男は何を言っているのだろう。


「もちろん君に惚れていなくても最初から助け出すつもりではいたよ。けど好きになって、居ても立っても居られなくなって、こうして来ちゃった」


 もう一度言おう。
 この男は何を言っているのだろう。

 もしかして私のことを揶揄って、あとからオリバーと一緒に馬鹿にでもするつもりなのだろうか。
 そんな手には引っかからないと思って、私は男の顔をただじっと見る。


「そんなに見られると照れるな。……って、そんな場合じゃない。怪我の具合を知りたいから少し触るよ。痛いかもしれないけど、少しだけ我慢して」


 そう言って男が私の体に触れてくる。
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