推し一筋なので彼氏はいりません



森本さんは少し話してからまた私たちにお礼を言って、御手洗に立った。


「ああいうの、持ってくる気持ちもわかるし悪いとは言わないけどさ、マナーは守って欲しいな〜。」


「ほんとに。
それにしてもよく気づいたよね、愛衣。」


「たまたまね。
目に当たったりしてたら大変だったけど、まだ鼻血だけで良かった。いや、良くはないんだけど。」


「もうないといいけど。あったら困る。」


「観覧席も広くないからみんな気をつけて欲しいね。
そうじゃないと気兼ねなく試合を観ることもできない。」


「そういわれれば私たち今のとこそんなに試合観てないな。」


「うん。最初に点入って以降、度々歓声は聞こえるものの、今どっちに何点入ってるのかすら知らない。」


「せっかく来たんだし少しくらい真面目に観るかぁ。」


「そうしよう。」


佐山先輩がコラボカフェで真面目にアニメと向き合ってくれたのに比べて、私は先輩の試合をみてすらない。

そうしないといけないと誰かに言われた訳でもないけど、自分の良心が痛む。

ここからはちゃんと先輩応援しよ。


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