推し一筋なので彼氏はいりません



「というわけで、俺とデートしませんか?」


というわけで、ってどういうわけ?
話に脈絡がなさすぎる。


「しません。」


「この前結構楽しくなかったですか?
一緒にコラボカフェ行った時。」


そう聞かれると確かに楽しくはあったけど。
でもあれは半分以上遥斗くんのおかげと言っても過言ではないのでは?


「今度開かれるポップアップストアのためにバイトたくさん入れたので無理です!」


嘘ではない。
休みがないほど入れてもないけど。


「じゃあそのポップアップストアに一緒に行くのは?邪魔になりますか?」


ひとりで楽しみたい気持ちもあるが、もうコラボカフェである程度やばめなところを見せた気がするし、
それに先輩がいたらランダムでも遥斗くんが出るはず!その確率がとても高い!


「この間みたいに、買う時に先輩が選んでくれるのであれば……。」


背に腹はかえられん。


「やった。楽しみにしてますね。」


「…はい。」


これできっと遥斗くん確定した。

あれ、だとしたらバイトそんなに頑張らなくてもいいんじゃない?

いやけど今回のポップアップは品数多かったし、バイトするに越したことはないかな。


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