推し一筋なので彼氏はいりません



「先輩先輩!!やばいです!!」


無事たこ焼きを手に入れ、それを食べつつ今度はアイスが売っている方に向かっていた。

その道中でたまたま射的屋さんの前を通った時、まさかのものを発見してしまう。


「どうしました?」


「みてあれ!!遥斗くん!!
なんでここにいるのかわからないけど!!」


なぜか射的の景品に遥斗くんのブロマイドがあった。

しかも持ってないやつ!


「ほんとだ。
やりますか?射的。」


「はい!します!」


「じゃあそれ持ってますね。」


「ありがとうございます。」


私は先輩にたこ焼きを預けて、コルク銃を構える。


「え、全然動かない。」


射的なんて簡単だと思っていたけど、思っていたよりも難しくて、当たりはするけど倒れる気配はない。

渡された弾3つは、もう既に使い切った。


ていうかこれちゃんと倒れるの?固定されたりしてない?


「俺もやってみていいですか?」


「はい。」


先輩と入れ替わって、今度は先輩がコルク銃を構える。

2回目で遥斗くんのブロマイドは落ちた。


「え!落ちた!すごい!」


「はい、どうぞ。」


「ありがとうございます!
持ってなかったから嬉しい。」


「喜んでいただけたなら何よりです。」


「それはもうすごく喜んでます!」


「じゃあ今なら俺と付き合う気にもなりそうですか?」


「それはないですね。」


「ないかぁ。
景品取ってくれるなんてカッコいい!みたいなことは?」


「ないですね。ありがたいけど、カッコいいのは先輩じゃなくて遥斗くんですね。」


「やっぱり遥斗さんには勝てそうにないですね。」


「もちろんです。」


出会って数ヶ月の人が、数年推してる遥斗くんに勝つなんてきっと無理。


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