推し一筋なので彼氏はいりません



「おふたりさん休憩しませんか〜?」


2時間ほど経った頃、ママがお菓子とジュースを持って様子を見に来た。


「ちょっと休憩します?」


「そうしましょう。」


「佐山くんは、愛衣のどんなところが好きなの?」


「ちょっ、ママ!」


めちゃくちゃ気まずい質問するじゃん。
私たち別に付き合ってるわけじゃないんだよ?

それに先輩が好きなのは、私の蹴りというか……。
きっとあれだよ。


「そうですね。
好きなものに一途なところですかね。」


「あら、愛衣が遥斗くん大好きなの知ってるんだ?」


「はい。いつも楽しそうに話してるのを見て、可愛いなと思います。」


思ってもみない答えで驚いた。

そんなふうに思ってたんだ。


「とてもいい子じゃない!
愛衣は佐山くんのことどう思ってるの?」


「別に。人としては好きだけど、恋愛はよくわからないし……。」


ママ、もうそろそろ戻ってくれないかな。

休憩の提案はありがたかったけど、そんなに話し込まれるのもいろんな意味で困る。


「ママ、そろそろ勉強再開するから。」


「そうね。ごめんね〜。」


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