推し一筋なので彼氏はいりません



《菅野愛衣side》


さっきまで度々言い合ってたふたりが、今はなぜか私の可愛さについて語り合っている。

よく分からないけど、さっきみたいに言い合ってるよりは良い。


「あの、あっちのも食べたいです。」


「もちろん!今度は私が買ってあげるね〜。」


「いいですよ。自分で買えます。」


「いいのいいの。私が買いたいの。ね?」


「……はい。」


有無を言わせない笑顔で押し切られ、花純さんに奢ってもらうことにした。


「はいどうぞ。」


「ありがとうございます。」


「どういたしまして。
ねぇ、愛衣ちゃんのクラスは何やってるの?」


「うちはフォトスポットなので、写真撮れるくらいで美味しいものは無いですよ。」


「いいじゃん!みんなで写真撮ろうよ。
それと愛衣ちゃんとのツーショットも欲しいな。」


「いいですよ。じゃあ行きましょうか。」


3人でうちのクラスに向かう。

教室内は結構賑わってて、頑張って装飾したかいがあったなと思う。


「え、愛衣。その美女誰。」


「菜々春も居たんだ。
えっと、先輩の幼なじみさん。」


「どうも〜、西原花純です。
そして愛衣ちゃんの彼女候補です〜。」


「え、花純さん…!?」


「どうも、愛衣の友達の崎濱菜々春です。」


さっきの告白を冗談だと受け取ったつもりはないけど、こんなにも堂々と宣言するとも思ってなかった。

このふたりもしかして、結構似てるのでは……?


「前からオタクすぎるところを除いては可愛いなと思ってたけど、愛衣にもついにモテ期が来たか。

にしても美男美女に挟まれていいね〜。
あ、私が写真撮ってあげるよ。」


「ありがとう〜、菜々春ちゃん。
そうだ。あとで私と愛衣ちゃんのツーショットもお願いできる?」


「もちろんいいですよ。」


私が喋らなくても話はどんどん進んでいって、結局3人で撮った後に、ふたりともとツーショットを撮った。


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