推し一筋なので彼氏はいりません



「そういえば今日、進路相談だったんですよね?」


前の話題がひと区切りついた時、先輩がそんな話題をふってきた。


「はい。」


「菅野さんは進学ですか?」


「はい、大学行こうかなって。」


「行きたい大学とか決まってるんですか?」


「一応、先輩と同じ大学を……。」


「え、ほんとに!?うちの大学うけるんですか?」


「はい。学びたいことも十分学べそうだし、なにより近いので。」


「嬉しい。来年から菅野さんがいるんですね。」


「受かったらですけどね。」


「きっと受かりますよ。
菅野さん勉強できるじゃないですか。
毎回学年5位以内だし。」


「え、なんで知ってるんですか。」


私先輩にテストの順位はおろか、テストの点さえも話したことないと思うんだけど。


「それはもちろん上位だけ貼り出されるのを見に行っていたので。」


「そうだったんですね……。」


「十分特進科も受かったのに〜って崎濱さんが言ってましたよ。」


「いつの間に菜々春と……。」


「朝、菅野さんが登校してくるまで、菜々春さんと話すこともあったので。」


「なるほど。」


知らないとこで情報がいろいろと漏れてたのか。


「菅野さんが大学受かったら、一緒に住んだりしたいですね。」


「え。」


「あ、ただの俺の願望なので聞き流してください。」


「別に私はいいけど。」


「いいんですか!?」


「まあ受かるかわからないですけどね。」


「絶対受かりますよ。俺も受験対策協力します!」


「ほんとですか?勉強教えてくれます?」


「もちろんいいですよ。」


「やった。
じゃあ先輩が暇な時にでもここに来て、勉強教えてもらってご飯作ってもらいたいです。」


言って気づいたけど、これほんとに私にしかメリットなくない?

いくら先輩が私のこと好きでも、これでいいのか…?


「そんなこと言われたら毎日予定空けたい。」


先輩なら本当にそうしそうで怖い。


「学校はちゃんと行ってくださいね。」


「はい。」


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