推し一筋なので彼氏はいりません
「あ、そうだ。
イベント行けるならアニメ観返したいんですけど、よかったら今日一緒に夜更かししませんか。」
「それはとても素敵なお誘いですね。
夜食でも買いに行きます?」
「行きます!甘いもの食べたいです。」
「そういえば、我が家の冷蔵庫にも菅野さんの好きなアイスとプリンは買ってありますよ。」
「プリンってあの赤いパッケージの?」
「はい。」
「さすがすぎます!
先輩大好き!」
「普段なかなか言わないのに、食べ物が関わると軽率に好きって言ってくれるあたり可愛くて好きですよ。」
「私も、紅茶は飲まないし甘いものもそんなに食べないのに、わざわざ私のために買っておいてくれる優しいところ好きです。」
「でも、こういう小さいことで喜んでる菅野さんが可愛くて癒されるので、結局は俺のためですよ。」
「幸せが循環してますね。」
「ですね。結局お互いが幸せなので良いことですね。」
「あー、ほんとに先輩が恋人でよかったです。」
「甘いもの買ってあるから?」
「それも結構あるけど、先輩って多分、私が何しても可愛いって言ってくれるじゃないですか。」
「そうですね。
存在が可愛いので何してても大抵可愛いですね。」
「しかも先輩は思ったら絶対口に出すし、それで私も嬉しいじゃないですか。」
「ふふ、ちゃんと嬉しいんですね。」
「…それは、まぁ。はい。」
「可愛いですね。」
「ほらー。どう足掻いても私たち幸せがぐるぐるしてるんですよ。
このままいくと一生幸せでいられる気がして、いいなーって。」
「確かにそうですね。」
「まあ、若干先輩頼りなところもありますけど。
先輩が可愛いって思わないと始まらないんで。」
「じゃあ一生幸せですね。一生可愛いと思い続ける自信があるので。」
「おばあちゃんで顔しわっしわになってもですか?」
「その時は俺もしわっしわなので大丈夫ですよ。」
「太っちゃっても?」
「それはそれで可愛いと思います。」
その時ふと、遥斗くんが太ったのを想像して、ちょっと違くない?と思ってしまう。
「……先輩の愛は偉大ですね。」
「菅野さんへの愛に関してはそうかもしれませんね。」
「先輩みてたら、私の推し力低い気がしてきました。」
「俺と比べたらみんなそうじゃないですか?
菅野さんへの愛に関しては、誰の何よりも強いと思うんで。」
「すごいですね……。
…好きになってくれて、長い間アプローチを続けてくれて、ありがとうございます。」
「こちらこそ、気持ちに応えてくれてありがとうございます。」
「私も先輩の愛に近づけるよう頑張ります。」
「気長に待ってます。」