覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)
 


「本日はみなさま、ようこそおいでくださいましたっ。
 わたくし、司会の藤月秋馬と申しますっ」

 パチパチと拍手の起こる中、八尋が衣茉に小声で訊いてくる。

「おい、なんで、秋馬さんが司会なんだ?」

「それが、玖村さん、お友だちのアナウンサーの方に頼もうとしたようなんですが。

 ちょうどイベントが重なってたらしくて。

 それで、同じマスコミの人間だし、秋馬さんどうですかって訊かれたみたいで」

 衣茉はそうヒソヒソ答えた。

「……いや、マスコミったって。
 小説の編集だろ、あの人」

「まあ、昔から会とか仕切るの上手かったんで、いいんじゃないですかね?」
と衣茉は苦笑いする。
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