完璧生徒会長はとろける甘さの恋を描きたい
【第9章】
○部室棟の渡り廊下(屋外)
○芽生が座り込んでいるのが見える
千和「やっぱりいたよ! 芽生!」
<渡り廊下が見える窓から見つけて、ほっとした>
葉「ほんとだ! あんなとこに」
<意外そうな顔>
千和「そっと近付こう」
葉「あ、ああ」
葉(言いそびれたな……)
<ちょっと消化不良>
○渡り廊下
千和「芽生」
<そっと声をかける>
芽生「!!」
<びくっとして、二人を見上げる>
千和「ごめんね。心配したの」
<すまなさそう>
芽生「…………ごめん」
<長く黙り、謝る>
葉「芽生」
<うしろから葉が声をかける>
芽生「葉……」
<ぼうっと葉を呼ぶ>
葉「悪い。降矢に芽生が行きそうな場所、教えてもらったんだ」
<すまなさそう>
千和「芽生、中学の頃やってたフルートを聴くと安心するって言ってたから……ここかなって」
<優しく>
芽生「そうだったんだ……うん、そうだね」
<無理に笑う>
葉「芽生。ちょっと話、いいか?」
<硬い声>
芽生「……うん」
<静かに頷く>
葉「悪い、降矢、その」
<千和を振り返り、すまなさそうに>
千和「うん。私、もう行くね」
<意図を察し、にこっと笑う>
芽生「千和……ごめん」
<すまなさそうに>
千和「いいって。明日、話そうよ。じゃあね」
<明るく笑い、手を上げて去る>
葉「ああ」
<軽く手を上げ、見送る>
芽生「また明日ね」
<ちょっと困った笑みで見送る>
○その夜、千和の家
○かわいい私室、パジャマ姿でベッドにいる
千和(芽生たち、大丈夫かな……)
<クッションを抱いて、心配している>
千和(ううん、きっと大丈夫。二人とも落ち着いたから、ちゃんと話せるよ)
<自分に言い聞かせるように>
千和(それにしても……)
<思い出してしまう>
千和(……っ)
<赤くなる>
千和(お、思い出すと恥ずかしい……!)
<晴陽に抱きしめられたときのことを思い出して、赤くなっている>
千和(しっかり抱きしめられて、あ、あんな……!)
<動揺している>
○晴陽の回想カット
晴陽「付き合ってくうちに、もっとお前を……」
千和(~~~っ!)
<赤くなり、悶絶>
千和(なに、なに!? どういうこと!?)
<クッションに顔をうずめて、内心大騒ぎしている>
千和(もしかして、秘密とかそういうことじゃなく……私を……!?)
千和(……ずるいよ……)
<すねたように>
千和(私だって……私だって……)
千和(晴陽のこと、ちゃんと知っていくたびに……、もっと……)
<実感してしまう>
千和(~~~っ! やっぱり言えるわけない!)
<ぼすっとクッションに顔をうずめる>
○数日後、学校、美術室前
○美術部に文化祭の説明をしていた
千和「……で、ここは生徒会の管轄なので、こちらで指示を持ちます」
<資料を手にしながら、説明>
美術部の生徒「はい!」
<にこやかに、真剣に聞いてくれる>
千和「廊下のこっちからは、美術部さんの一存で作業していただいて大丈夫です」
生徒「はい」
千和「……という感じでどうでしょう?」
<資料から顔を上げ、聞く>
生徒「了解しました! そのようにします」
<ぴしっと返事>
千和「ありがとうございます。では、そのように」
<ほっとし、笑顔になる>
○うしろから晴陽が近付いてきた
晴陽「やるじゃん、千和」
<にこやかに>
千和「晴陽!」
<ぱっと顔が明るくなる>
晴陽「ちゃんと説明できてたな。えらい、えらい」
○頭をポンポン
千和「わ、もう! 子ども扱いしないでよ!」
<ちょっと膨れる>
晴陽「ばか、恋人扱いだよ」
<からかうように>
千和「……っ!」
<赤くなる>
晴陽「それは別として、ほんとに仕事もうまくなったな」
千和「ありがとう! もう一ヵ月くらい経つし、いつまでも甘えてばっかりじゃダメだと思って」
晴陽「千和は本当に努力家だな。……あのときとかも」
<小さく、懐かしそうに言う>
千和「……ねぇ、もしかして、私と晴陽って、昔、会ってるのかな」
<思い切って聞いてみる>
晴陽「……さぁな」
<ふいっとそっぽを向く>
千和「ずっと気になってたんだよ……、私、忘れちゃってるなら謝るから」
晴陽「別に恨んでも不満でもねぇよ。俺は今、お前がこうして彼女として隣にいてくれる。それでじゅうぶんなんだけど?」
千和「それは……嬉しいけど」
<消化不良の顔>
晴陽「過去は過去だ。ま、それが今の俺を作ってるわけだけどな」
<遠くを見ているような目>
千和「……晴陽」
晴陽「お、あの絵、すげぇ綺麗じゃん」
<ちょうど美術部にあった一枚の絵が目に留まる>
千和「え? ……ああ。ひまわりの絵だね」
<大きなひまわりの絵、とても綺麗>
晴陽「ひまわり、好きなんだよな」
千和「そうなんだ」
晴陽「ひまわりみたいな笑顔だったから……」
<懐かしそう>
千和「なにが?」
晴陽「……いーや。そろそろ行こうぜ。次の仕事がある」
<にこっと笑って、うながす>
千和「……うん」
晴陽「そろそろ『きみここ』も夏のシーンに入るから、ひまわりとかモチーフにすっかなー……」
○生徒会室
芽生「千和! こっちの作業も終わったよ」
<作業を終えた芽生が駆け寄ってくる>
<明るい様子>
千和「芽生! お疲れ様!」
<ぱっと明るい顔になる>
芽生「今日は会長と一緒に帰る?」
千和「あ、晴陽はちょっと別作業があるって」
芽生「そっか。じゃ、一緒に帰らない?」
千和「いいね。帰ろう!」
○帰り道
千和「今日もお疲れ様。もう文化祭まで一週間切ってるとか早いよね」
<二人で並んで歩きながら>
芽生「ほんと、早いよ~。全然追い付かないや」
千和「芽生は、もうあちこち動いて大丈夫?」
芽生「うん。すっかり平気。生徒会の仕事も、穴を開けちゃってごめんね」
<申し訳なさそう>
千和「ううん。風邪、ひどかったって聞いたから心配したよ」
芽生「ごめんね。秋の夕方にあんなところに座り込んでたら、そりゃあ風邪もひいちゃうよね」
千和「仕方ないよ。心が辛いときもあるから」
芽生「……ありがとう」
<ほっとしたような笑み>
千和「煎条くんとは、あれからどう?」
芽生「うん。ちゃんと話して……謝った」
<軽くうつむく>
千和「それなら良かった……のかな?」
<困り笑い>
芽生「多分……。あのさ、千和」
<思い切った様子>
千和「うん?」
芽生「私……、昔、葉に告白されたことがあるんだ」
<顔を上げ、千和を真っ直ぐに見て>
千和「……え?」
<止まってしまう>
○芽生が座り込んでいるのが見える
千和「やっぱりいたよ! 芽生!」
<渡り廊下が見える窓から見つけて、ほっとした>
葉「ほんとだ! あんなとこに」
<意外そうな顔>
千和「そっと近付こう」
葉「あ、ああ」
葉(言いそびれたな……)
<ちょっと消化不良>
○渡り廊下
千和「芽生」
<そっと声をかける>
芽生「!!」
<びくっとして、二人を見上げる>
千和「ごめんね。心配したの」
<すまなさそう>
芽生「…………ごめん」
<長く黙り、謝る>
葉「芽生」
<うしろから葉が声をかける>
芽生「葉……」
<ぼうっと葉を呼ぶ>
葉「悪い。降矢に芽生が行きそうな場所、教えてもらったんだ」
<すまなさそう>
千和「芽生、中学の頃やってたフルートを聴くと安心するって言ってたから……ここかなって」
<優しく>
芽生「そうだったんだ……うん、そうだね」
<無理に笑う>
葉「芽生。ちょっと話、いいか?」
<硬い声>
芽生「……うん」
<静かに頷く>
葉「悪い、降矢、その」
<千和を振り返り、すまなさそうに>
千和「うん。私、もう行くね」
<意図を察し、にこっと笑う>
芽生「千和……ごめん」
<すまなさそうに>
千和「いいって。明日、話そうよ。じゃあね」
<明るく笑い、手を上げて去る>
葉「ああ」
<軽く手を上げ、見送る>
芽生「また明日ね」
<ちょっと困った笑みで見送る>
○その夜、千和の家
○かわいい私室、パジャマ姿でベッドにいる
千和(芽生たち、大丈夫かな……)
<クッションを抱いて、心配している>
千和(ううん、きっと大丈夫。二人とも落ち着いたから、ちゃんと話せるよ)
<自分に言い聞かせるように>
千和(それにしても……)
<思い出してしまう>
千和(……っ)
<赤くなる>
千和(お、思い出すと恥ずかしい……!)
<晴陽に抱きしめられたときのことを思い出して、赤くなっている>
千和(しっかり抱きしめられて、あ、あんな……!)
<動揺している>
○晴陽の回想カット
晴陽「付き合ってくうちに、もっとお前を……」
千和(~~~っ!)
<赤くなり、悶絶>
千和(なに、なに!? どういうこと!?)
<クッションに顔をうずめて、内心大騒ぎしている>
千和(もしかして、秘密とかそういうことじゃなく……私を……!?)
千和(……ずるいよ……)
<すねたように>
千和(私だって……私だって……)
千和(晴陽のこと、ちゃんと知っていくたびに……、もっと……)
<実感してしまう>
千和(~~~っ! やっぱり言えるわけない!)
<ぼすっとクッションに顔をうずめる>
○数日後、学校、美術室前
○美術部に文化祭の説明をしていた
千和「……で、ここは生徒会の管轄なので、こちらで指示を持ちます」
<資料を手にしながら、説明>
美術部の生徒「はい!」
<にこやかに、真剣に聞いてくれる>
千和「廊下のこっちからは、美術部さんの一存で作業していただいて大丈夫です」
生徒「はい」
千和「……という感じでどうでしょう?」
<資料から顔を上げ、聞く>
生徒「了解しました! そのようにします」
<ぴしっと返事>
千和「ありがとうございます。では、そのように」
<ほっとし、笑顔になる>
○うしろから晴陽が近付いてきた
晴陽「やるじゃん、千和」
<にこやかに>
千和「晴陽!」
<ぱっと顔が明るくなる>
晴陽「ちゃんと説明できてたな。えらい、えらい」
○頭をポンポン
千和「わ、もう! 子ども扱いしないでよ!」
<ちょっと膨れる>
晴陽「ばか、恋人扱いだよ」
<からかうように>
千和「……っ!」
<赤くなる>
晴陽「それは別として、ほんとに仕事もうまくなったな」
千和「ありがとう! もう一ヵ月くらい経つし、いつまでも甘えてばっかりじゃダメだと思って」
晴陽「千和は本当に努力家だな。……あのときとかも」
<小さく、懐かしそうに言う>
千和「……ねぇ、もしかして、私と晴陽って、昔、会ってるのかな」
<思い切って聞いてみる>
晴陽「……さぁな」
<ふいっとそっぽを向く>
千和「ずっと気になってたんだよ……、私、忘れちゃってるなら謝るから」
晴陽「別に恨んでも不満でもねぇよ。俺は今、お前がこうして彼女として隣にいてくれる。それでじゅうぶんなんだけど?」
千和「それは……嬉しいけど」
<消化不良の顔>
晴陽「過去は過去だ。ま、それが今の俺を作ってるわけだけどな」
<遠くを見ているような目>
千和「……晴陽」
晴陽「お、あの絵、すげぇ綺麗じゃん」
<ちょうど美術部にあった一枚の絵が目に留まる>
千和「え? ……ああ。ひまわりの絵だね」
<大きなひまわりの絵、とても綺麗>
晴陽「ひまわり、好きなんだよな」
千和「そうなんだ」
晴陽「ひまわりみたいな笑顔だったから……」
<懐かしそう>
千和「なにが?」
晴陽「……いーや。そろそろ行こうぜ。次の仕事がある」
<にこっと笑って、うながす>
千和「……うん」
晴陽「そろそろ『きみここ』も夏のシーンに入るから、ひまわりとかモチーフにすっかなー……」
○生徒会室
芽生「千和! こっちの作業も終わったよ」
<作業を終えた芽生が駆け寄ってくる>
<明るい様子>
千和「芽生! お疲れ様!」
<ぱっと明るい顔になる>
芽生「今日は会長と一緒に帰る?」
千和「あ、晴陽はちょっと別作業があるって」
芽生「そっか。じゃ、一緒に帰らない?」
千和「いいね。帰ろう!」
○帰り道
千和「今日もお疲れ様。もう文化祭まで一週間切ってるとか早いよね」
<二人で並んで歩きながら>
芽生「ほんと、早いよ~。全然追い付かないや」
千和「芽生は、もうあちこち動いて大丈夫?」
芽生「うん。すっかり平気。生徒会の仕事も、穴を開けちゃってごめんね」
<申し訳なさそう>
千和「ううん。風邪、ひどかったって聞いたから心配したよ」
芽生「ごめんね。秋の夕方にあんなところに座り込んでたら、そりゃあ風邪もひいちゃうよね」
千和「仕方ないよ。心が辛いときもあるから」
芽生「……ありがとう」
<ほっとしたような笑み>
千和「煎条くんとは、あれからどう?」
芽生「うん。ちゃんと話して……謝った」
<軽くうつむく>
千和「それなら良かった……のかな?」
<困り笑い>
芽生「多分……。あのさ、千和」
<思い切った様子>
千和「うん?」
芽生「私……、昔、葉に告白されたことがあるんだ」
<顔を上げ、千和を真っ直ぐに見て>
千和「……え?」
<止まってしまう>