完璧生徒会長はとろける甘さの恋を描きたい
【第11章】
○巡回が終わった
○晴陽と自由時間
晴陽「お疲れ、千和」
<晴陽と千和、連れ立って廊下を歩いている>
<優しくねぎらってくれる>
千和「晴陽こそ! 会長はやっぱり大変だね」
<にこにこして楽しそう>
晴陽「いや、役員がみんな優秀だからさ。俺はまとめだけで済んでるよ」
<穏やかに>
千和「そんな謙遜しなくていいのに」
千和(漫画のためなんて言ってるのに)
千和(お仕事熱心だよね)
<感心している>
晴陽「それに、これだけたくさん人間がいると……」
<きょろきょろと見回す>
<行き交いする生徒たちが見える>
千和「ん?」
<何気なく聞く>
晴陽「非常に『参考に』なるしな!」
<キリッ、ドヤッ、という顔>
千和(ああ……やっぱり根幹は変わらないんだ)
<内心、ちょっと呆れる>
千和(でも……好きな漫画のために頑張るところ、尊敬するな)
<やわらかな笑みになる>
○外へ出た
○お昼どき
晴陽「千和、腹減らないか?」
<屋台の並ぶエリアを歩きながら>
千和「うん、もうお昼過ぎたもんね」
<何気なく答える>
晴陽「先になんか食うか」
千和「そうだね!」
<明るい会話>
晴陽「なに食いたい?」
千和「晴陽の好きなものでいいよ」
晴陽「なんだよ、俺も千和の好きなものがいいのに」
<ちょっと拗ねたように>
千和「え……」
<意外だった>
晴陽「お前の好きなもの、もっと知りたいんだよ」
<優しい笑みで言う>
千和「や、やだな、そんな言い方」
<照れてしまう>
晴陽「それに、彼女の希望を聞くのも『参考になる』だろ?」
<にやっと笑う>
千和「そうだね……、じゃ、たこ焼き!」
<ちょっと勢いが落ちるが、好きなものを挙げる>
晴陽「了解。行くか」
<にこっと笑う>
千和「うん!」
<笑みに戻って答える>
○二人で屋台へ向かう
千和(参考のためか……)
<待ちながら、ちょっと悶々としている>
千和(『きみここ』がより良くなるのも、晴陽の漫画に活かせるのも嬉しいな)
千和(でも……なんだろ。ちょっと残念、とか思っちゃうのは)
晴陽「焼きたてが買えたぞ~」
<晴陽がたこ焼きのパックを持って戻ってくる>
<嬉しそう>
千和「わぁ! ほっかほかだね! いい匂い……あっ」
<ぱっと明るい顔になる>
<ハッとする>
○ぐぅぅ……(お腹の音)
晴陽「ははっ、千和の腹が待ちきれないってさ」
<笑ってしまう>
千和「も、もう! からかわないでよ!」
<お腹を鳴らしてしまった千和、赤くなって怒る>
晴陽「いや、かわいいなと思って」
<さらっと言う>
千和「……!」
<どきっとして、真っ赤になってしまう>
晴陽「お、熱々のたこ焼きより湯気が出そうかも」
<にやっと笑って、覗き込んでくる>
千和「も、もう! 早く食べようよ!」
<ごまかすように、晴陽をぐいぐい押して、ベンチのほうへ押しやる>
晴陽「はいはい」
<押されるままになりながら歩く>
○二人で文化祭をあちこち回る
短い時間だったけど、晴陽とあちこち回る文化祭はとっても楽しかった。
去年も参加したのに、なんだか全然違って感じるくらい。
<楽しそうに遊んでいる二人>
○夕方、中庭
晴陽「ああ、もう夕方か」
<すっかり日が暮れたのをベンチに座って見ながら>
<少し離れたところでは、まだ文化祭でわいわいしている>
千和「そうだね。あと一時間くらいで閉会だね」
<しみじみと>
晴陽「色々大変だったから、終わるとなるとなんか惜しいな」
<同じく、しみじみ>
千和「わかるよ。晴陽は最初から取り組んでたんだから、もっと大変だったよね」
<微笑で晴陽に視線を向ける>
晴陽「そうかもな」
千和「だからお疲れ様。晴陽が頑張ったから、今日はうまくいったんだよ」
<優しくねぎらう>
晴陽「……ったく。お前ときたら」
<ちょっと拗ねたような顔で手を伸ばす>
千和「ひゃ!?」
<つんっと額をつつかれて、変な声を上げる>
晴陽「頑張ったのは、役員たちとお前もだろ」
<困ったものだという顔>
千和「!」
<ハッとする>
晴陽「もっと自分を評価してやれよ」
<優しく、諭すように>
千和「……うん。ありがと」
<微笑に戻り、お礼>
晴陽「……今日はすごく楽しかった」
千和「私もだよ」
<穏やかに言い合う>
晴陽「お前の今まで知らなかった顔とか見られたし」
千和「え、え! は、はしゃぎすぎちゃって恥ずかしいよ……」
<慌てる、恥ずかしがってしまう>
晴陽「だから違うって。楽しむ様子がすごくかわいかったってこと」
<困ったなという笑顔で、説明する>
千和「……!」
<どきっとする>
晴陽「本当にそう思ってるんだぜ?」
晴陽「お前はあんま信じてくれてないみたいだけど」
<ちょっともどかしそう>
千和「そんなこと……ないけど」
<もにょもにょしてしまう>
晴陽「まぁ最初は秘密保持と漫画のためだったさ。でも、今は……」
<前を向き直して穏やかに話す>
千和「晴陽?」
<不思議に思って、晴陽の横顔を見る>
晴陽「なんだろうな、こうして一緒に楽しむのが、本当に楽しく思うんだ」
<前を見つめたまま、穏やかに優しい声で言う>
千和「……!」
<どきっとする>
千和(私と同じ……)
<昼間思ったことを思い出す>
千和(そうだ、私だって……もう『流されてる』って気持ち、ないよ)
千和(私が晴陽と一緒にいたいから、こんなに楽しいって思うんだ)
<噛みしめるように、実感する>
晴陽「だからさ、文化祭の忙しさも落ち着くし、行くか」
<千和を振り向いて、笑顔>
千和「どこに?」
晴陽「デートに決まってんだろ」
<しれっと言う>
千和「えっ!」
<赤くなって驚く>
晴陽「今までデートらしいデートもしてなかったからさ」
千和「そ、そう……だけど」
<恥ずかしそう、しどろもどろ>
晴陽「お前と一日、プライベートで一緒にいたい」
<優しい笑み>
千和「あ、……りがとう」
<照れつつも、幸せそう>
晴陽「特別なデートにするから。楽しみにしてろよ」
<にかっと笑う、自信ありげ>
千和「うん!」
<にこっと笑う>
○閉会式
○晴陽が前で話している
晴陽「これにて文化祭も閉幕となります。こうして無事に閉会を迎えることができたのは、ひとえに……」
<堂々とした立派な挨拶>
楽しかった文化祭もおしまい。
やっぱり少し、寂しいかもしれないな。
<少し離れた持ち場に立って、その様子を見ている>
<ちょっと惜しそうな顔>
○葉がやってくる
葉「降矢」
<ちょっと硬い声と表情>
千和「あ、煎条くん! お疲れ様」
<振り返り、何気なく言う>
葉「あのさ、今、ちょっといい?」
<硬い声>
千和「うん? 大丈夫だよ」
<不思議に思う>
葉「聞いてほしいことがあるんだけど、あっちで話せる?」
<中庭、少し奥のほうを指差して>
千和「……? わかった」
<首をかしげつつも、受け入れて、葉についていく>
晴陽「……」
<まだ挨拶を続けていた晴陽>
<ちらっと視線を向けて、二人が連れ立って歩いていったところを見る>
○ひと気のない中庭奥
千和「このあと会長と合流するから、あんまり長くは話せないけど……」
<何気なく言う>
葉「会長と付き合ってるから?」
<硬い様子>
千和「? もちろん」
<わからずに、不思議に思って肯定>
葉「……あのさ。降矢、会長が好きだから付き合ってるんじゃ……ないんだろ?」
<ぐっとこぶしを握り、思い切った様子で切り出す>
千和「!!」
<どきっとする>
葉「ごめん、聞こえちゃったんだ」
<すまなさそう、痛みを堪えているように>
千和「な、なにを……」
<動揺>
葉「秘密保持がどうとか……」
<ちょっとあやふやな感じで>
千和(あ、漫画のことじゃないのか。良かった……?)
<内心、ほっとした>
葉「なにか弱みを握られて、付き合わされてるんじゃないのか?」
<千和を見て、心配そうに>
千和「……! え、そんなこと!」
<目を見開き、驚く>
千和(そういう誤解!?)
葉「簡単には話せないと思うけど……そんな目に遭ってるなら放っておけないんだ」
<心配そう>
千和「誤解だよ……それにどうして?」
<おろおろしてしまう>
葉「だって、俺は降矢が好きなんだから。困ってるなら、助けてやりたい」
<千和を見つめ、きっぱりと>
千和「……!」
<目を見開き、驚愕する>
○晴陽と自由時間
晴陽「お疲れ、千和」
<晴陽と千和、連れ立って廊下を歩いている>
<優しくねぎらってくれる>
千和「晴陽こそ! 会長はやっぱり大変だね」
<にこにこして楽しそう>
晴陽「いや、役員がみんな優秀だからさ。俺はまとめだけで済んでるよ」
<穏やかに>
千和「そんな謙遜しなくていいのに」
千和(漫画のためなんて言ってるのに)
千和(お仕事熱心だよね)
<感心している>
晴陽「それに、これだけたくさん人間がいると……」
<きょろきょろと見回す>
<行き交いする生徒たちが見える>
千和「ん?」
<何気なく聞く>
晴陽「非常に『参考に』なるしな!」
<キリッ、ドヤッ、という顔>
千和(ああ……やっぱり根幹は変わらないんだ)
<内心、ちょっと呆れる>
千和(でも……好きな漫画のために頑張るところ、尊敬するな)
<やわらかな笑みになる>
○外へ出た
○お昼どき
晴陽「千和、腹減らないか?」
<屋台の並ぶエリアを歩きながら>
千和「うん、もうお昼過ぎたもんね」
<何気なく答える>
晴陽「先になんか食うか」
千和「そうだね!」
<明るい会話>
晴陽「なに食いたい?」
千和「晴陽の好きなものでいいよ」
晴陽「なんだよ、俺も千和の好きなものがいいのに」
<ちょっと拗ねたように>
千和「え……」
<意外だった>
晴陽「お前の好きなもの、もっと知りたいんだよ」
<優しい笑みで言う>
千和「や、やだな、そんな言い方」
<照れてしまう>
晴陽「それに、彼女の希望を聞くのも『参考になる』だろ?」
<にやっと笑う>
千和「そうだね……、じゃ、たこ焼き!」
<ちょっと勢いが落ちるが、好きなものを挙げる>
晴陽「了解。行くか」
<にこっと笑う>
千和「うん!」
<笑みに戻って答える>
○二人で屋台へ向かう
千和(参考のためか……)
<待ちながら、ちょっと悶々としている>
千和(『きみここ』がより良くなるのも、晴陽の漫画に活かせるのも嬉しいな)
千和(でも……なんだろ。ちょっと残念、とか思っちゃうのは)
晴陽「焼きたてが買えたぞ~」
<晴陽がたこ焼きのパックを持って戻ってくる>
<嬉しそう>
千和「わぁ! ほっかほかだね! いい匂い……あっ」
<ぱっと明るい顔になる>
<ハッとする>
○ぐぅぅ……(お腹の音)
晴陽「ははっ、千和の腹が待ちきれないってさ」
<笑ってしまう>
千和「も、もう! からかわないでよ!」
<お腹を鳴らしてしまった千和、赤くなって怒る>
晴陽「いや、かわいいなと思って」
<さらっと言う>
千和「……!」
<どきっとして、真っ赤になってしまう>
晴陽「お、熱々のたこ焼きより湯気が出そうかも」
<にやっと笑って、覗き込んでくる>
千和「も、もう! 早く食べようよ!」
<ごまかすように、晴陽をぐいぐい押して、ベンチのほうへ押しやる>
晴陽「はいはい」
<押されるままになりながら歩く>
○二人で文化祭をあちこち回る
短い時間だったけど、晴陽とあちこち回る文化祭はとっても楽しかった。
去年も参加したのに、なんだか全然違って感じるくらい。
<楽しそうに遊んでいる二人>
○夕方、中庭
晴陽「ああ、もう夕方か」
<すっかり日が暮れたのをベンチに座って見ながら>
<少し離れたところでは、まだ文化祭でわいわいしている>
千和「そうだね。あと一時間くらいで閉会だね」
<しみじみと>
晴陽「色々大変だったから、終わるとなるとなんか惜しいな」
<同じく、しみじみ>
千和「わかるよ。晴陽は最初から取り組んでたんだから、もっと大変だったよね」
<微笑で晴陽に視線を向ける>
晴陽「そうかもな」
千和「だからお疲れ様。晴陽が頑張ったから、今日はうまくいったんだよ」
<優しくねぎらう>
晴陽「……ったく。お前ときたら」
<ちょっと拗ねたような顔で手を伸ばす>
千和「ひゃ!?」
<つんっと額をつつかれて、変な声を上げる>
晴陽「頑張ったのは、役員たちとお前もだろ」
<困ったものだという顔>
千和「!」
<ハッとする>
晴陽「もっと自分を評価してやれよ」
<優しく、諭すように>
千和「……うん。ありがと」
<微笑に戻り、お礼>
晴陽「……今日はすごく楽しかった」
千和「私もだよ」
<穏やかに言い合う>
晴陽「お前の今まで知らなかった顔とか見られたし」
千和「え、え! は、はしゃぎすぎちゃって恥ずかしいよ……」
<慌てる、恥ずかしがってしまう>
晴陽「だから違うって。楽しむ様子がすごくかわいかったってこと」
<困ったなという笑顔で、説明する>
千和「……!」
<どきっとする>
晴陽「本当にそう思ってるんだぜ?」
晴陽「お前はあんま信じてくれてないみたいだけど」
<ちょっともどかしそう>
千和「そんなこと……ないけど」
<もにょもにょしてしまう>
晴陽「まぁ最初は秘密保持と漫画のためだったさ。でも、今は……」
<前を向き直して穏やかに話す>
千和「晴陽?」
<不思議に思って、晴陽の横顔を見る>
晴陽「なんだろうな、こうして一緒に楽しむのが、本当に楽しく思うんだ」
<前を見つめたまま、穏やかに優しい声で言う>
千和「……!」
<どきっとする>
千和(私と同じ……)
<昼間思ったことを思い出す>
千和(そうだ、私だって……もう『流されてる』って気持ち、ないよ)
千和(私が晴陽と一緒にいたいから、こんなに楽しいって思うんだ)
<噛みしめるように、実感する>
晴陽「だからさ、文化祭の忙しさも落ち着くし、行くか」
<千和を振り向いて、笑顔>
千和「どこに?」
晴陽「デートに決まってんだろ」
<しれっと言う>
千和「えっ!」
<赤くなって驚く>
晴陽「今までデートらしいデートもしてなかったからさ」
千和「そ、そう……だけど」
<恥ずかしそう、しどろもどろ>
晴陽「お前と一日、プライベートで一緒にいたい」
<優しい笑み>
千和「あ、……りがとう」
<照れつつも、幸せそう>
晴陽「特別なデートにするから。楽しみにしてろよ」
<にかっと笑う、自信ありげ>
千和「うん!」
<にこっと笑う>
○閉会式
○晴陽が前で話している
晴陽「これにて文化祭も閉幕となります。こうして無事に閉会を迎えることができたのは、ひとえに……」
<堂々とした立派な挨拶>
楽しかった文化祭もおしまい。
やっぱり少し、寂しいかもしれないな。
<少し離れた持ち場に立って、その様子を見ている>
<ちょっと惜しそうな顔>
○葉がやってくる
葉「降矢」
<ちょっと硬い声と表情>
千和「あ、煎条くん! お疲れ様」
<振り返り、何気なく言う>
葉「あのさ、今、ちょっといい?」
<硬い声>
千和「うん? 大丈夫だよ」
<不思議に思う>
葉「聞いてほしいことがあるんだけど、あっちで話せる?」
<中庭、少し奥のほうを指差して>
千和「……? わかった」
<首をかしげつつも、受け入れて、葉についていく>
晴陽「……」
<まだ挨拶を続けていた晴陽>
<ちらっと視線を向けて、二人が連れ立って歩いていったところを見る>
○ひと気のない中庭奥
千和「このあと会長と合流するから、あんまり長くは話せないけど……」
<何気なく言う>
葉「会長と付き合ってるから?」
<硬い様子>
千和「? もちろん」
<わからずに、不思議に思って肯定>
葉「……あのさ。降矢、会長が好きだから付き合ってるんじゃ……ないんだろ?」
<ぐっとこぶしを握り、思い切った様子で切り出す>
千和「!!」
<どきっとする>
葉「ごめん、聞こえちゃったんだ」
<すまなさそう、痛みを堪えているように>
千和「な、なにを……」
<動揺>
葉「秘密保持がどうとか……」
<ちょっとあやふやな感じで>
千和(あ、漫画のことじゃないのか。良かった……?)
<内心、ほっとした>
葉「なにか弱みを握られて、付き合わされてるんじゃないのか?」
<千和を見て、心配そうに>
千和「……! え、そんなこと!」
<目を見開き、驚く>
千和(そういう誤解!?)
葉「簡単には話せないと思うけど……そんな目に遭ってるなら放っておけないんだ」
<心配そう>
千和「誤解だよ……それにどうして?」
<おろおろしてしまう>
葉「だって、俺は降矢が好きなんだから。困ってるなら、助けてやりたい」
<千和を見つめ、きっぱりと>
千和「……!」
<目を見開き、驚愕する>