完璧生徒会長はとろける甘さの恋を描きたい
【第1章】
○学校、昼休み、屋上
○千和が持っているスマホの中、漫画
ナカオミ「俺……、ずっと言えなかったんだけど……」
<漫画の中、ナカオミが思いつめた顔でこころを見つめている>
こころ「え……?」
<ザッと風が吹き、こころの髪が揺れる、目を丸くするこころ>
ナカオミ「……っ!」
<思いつめた顔で一歩踏み出して、こころを抱きしめる>
こころ「わ、わ!? オミくん!?」
<慌てる>
ナカオミ「こころのことが……好きだ!」
<こころを強く抱きしめ、真剣に告白>
こころ「えっ……」
<目を真ん丸にする>
○漫画終わり
○漫画を読んでいた千和
千和「えええ……! ここで終わり!? 続きは来週!?」
<スマホには漫画の最後のページが映っている>
千和「あーんっ、焦らすよぅ!」
<惜しそうな顔で叫ぶ千和>
千和「早く来週にならないかな……、絶対くっつくと思うけど、まだわかんないよね」
<物足りなそうな顔で、最終ページを見つめる>
○千和の普段の様子
私、降矢 千和。
普通の高校2年生。
<ブレザーの制服に、ロングヘアの普通の高校生の格好>
今、ハマってるのはライムコミックスって配信サイトで連載してる漫画『きみのこころが知りたい』!
<配信サイトに載っている前述の漫画>
少女漫画カテゴリのランキングは毎回一位だし、学校でも読んでる子は多い。
<学校で女子たちが読んで楽しそうに話している様子>
千和(あとで芽生に話そうっと)
<スマホを胸の前で持って、楽しそう>
千和(もう読んだかな?)
千和(正午更新だからまだかも……ああっ早くこの胸キュンを共有したいっ!)
<ときめいている>
千和(それにしても……、この相崎先生ってほかになにも描いてないのかな)
<再びスマホに視線を戻して、不思議に思う>
千和(こんな人気漫画なのに、検索してみても、『きみここ』しか出ないんだよね)
<『きみのこころが知りたい』の横に『相崎 咲』と作者名が書いてある>
千和(ちょっと不思議かも)
<不思議そうに文字と絵を見つめる>
○キーンコーンカーンコーン(チャイムの音)
千和「あっ! もう昼休み終わる!?」
<ハッと時計を見る>
千和「そろそろ戻らないと……」
<立ち上がろうとする>
○ふわっと紙が飛んできた
千和「え?」
<不思議そうに見上げる>
○バサッ!(千和の顔にぶつかり、張り付く)
千和「ひゃぁ!」
<驚き、変な声を上げる>
千和「びっくりしたぁ……、なにこれ? 紙?」
<紙を剥がし、ちょっと苦しそうな顔>
○紙にはナカオミとこころが描いてある
千和「って、これ! ナカオミくんとこころちゃんじゃん!」
<紙の絵を見てびっくり>
千和「すご……、めっちゃうま……」
<まじまじ見つめてしまう>
千和「原作に超似てるし……」
<感激>
○上から声がかかる
晴陽「……おい」
<晴陽の低い声がかかった>
千和「えっ」
<驚いて見上げる>
晴陽「それ。返して」
<屋上の一番高いところに晴陽がいて、しゃがんでこちらを見ていた>
<冷たく、淡々とした言い方>
千和「へ? ……えっ、もしかして……相坂会長!?」
<変な声と顔をしてしまう>
<すぐに気付いて、驚く>
晴陽「え。……お前」
<一瞬、なにか思い当たったような顔になる>
千和「? 相坂会長……ですよね?」
<不思議に思って、再度聞く>
○トンッ(晴陽が下に降りてきた)
晴陽「……だったらなに。返してって言ってるんだけど」
<機嫌悪そうに言って近寄ってくる>
千和「こ、これ相坂先輩が描かれたんですか!?」
<驚いて紙の絵と晴陽を見比べる>
晴陽「勝手に見るなよ」
<機嫌悪そう>
千和「いや、だって飛んできたんですよ」
<焦って言い訳>
晴陽「飛ばすつもりだったわけないだろ」
<淡々と>
千和「そうじゃなくてですね」
<困ってしまう>
晴陽「いいから返せ」
<ぎろっと鋭い目で睨む、冷たい声>
千和「……っ、はい……」
<ひるんで、そっと紙を差し出す>
千和(び、びっくりした……あんな怖い目しなくても)
<内心、びびっている>
晴陽「ったく、ひとのものなんだから、さっさと返せよな」
<紙を取り返して、やれやれという様子>
千和「すみません……」
<一応、しおらしく謝る>
千和(ていうか……このひと、本当に相坂会長?)
<ちらっと晴陽を見上げて、不審に思う>
千和(生徒会長で、いつもにこやかなのに……まるで別人だよ)
<いつもにこやかでキラキラしている晴陽の様子>
千和(まさか人違い……)
<じーっと見つめる>
晴陽「ああ、ちょっと曲がっちまってる。くそ、まさか飛ばされるなんて」
<紙の折れたところを伸ばしている>
<胸元に生徒会長のバッジがきらっと光る>
千和(いや本人だ……! 生徒会バッジついてるもん!)
<ガーン、という様子>
千和(あ、ううん、それより……、これが相坂先輩の描いたものなら)
<ハッとする>
千和「あ、あの!」
<慌てて声を出す>
晴陽「なんだよ。もう用はない。早く帰ったら」
<冷たい視線を向けて言う>
千和(用はない!? そんな言い方なくない!?)
<ちょっとショック>
千和「えっと! 相坂先輩、すごく絵がうまいんですね!」
<諦めずに、笑顔を浮かべて褒める>
晴陽「……だったらなんだよ」
<警戒>
千和「ナカオミくんがとってもイケメンで、いきいきしてて……」
<つい勢いよく『きみここ』を語りだしてしまう>
晴陽「……」
<警戒の目>
千和「もしかして、相坂先輩……『きみここ』の……」
<期待を込めて見つめる>
晴陽「……はぁ。なんでわかったんだよ」
<ため息をついて、諦めたように言う>
千和「え、だってこんなうまいですし、それだけじゃなく、キャラに愛が感じられるっていうか! だからきっと……」
<明るい顔になって、語ったあとに、言いかける>
晴陽「そう。鋭いやつだよ」
<それを遮って、晴陽がぼそっと言う>
千和「……え?」
<言葉が止まる>
晴陽「そうだよ。俺が『きみここ』描いてんだよ」
<諦めた顔>
千和「……えっ」
<固まる>
晴陽「わかってると思うが、絶対よそに言うな。言ったらこの学校にいられなくなると思え」
<すごく怖い顔で睨む>
千和「はぇぇ……!?」
<超驚いて、変な顔と声>
晴陽「……なに? 言い当てたくせに、変な顔しやがって」
<不審そう>
千和「え、え、その」
<おろおろしてしまう>
晴陽「俺が少女漫画とか似合わないんだろ、どうせ」
<フン、という顔>
千和「……あの」
<おそるおそる>
晴陽「なに」
<軽く睨む>
千和「私……『だからきっと……大ファンなんですよね!』って聞くつもりだったんです……」
<申し訳ないという様子で、おずおずと言う>
晴陽「……は」
<息を吐き出し、固まる>
千和「ええと……す、すみま……せん?」
<心底すまなさそうに、おずおずと謝る>
晴陽「……マジかよ。嘘だろ」
<固まったあと、信じられないという様子で>
千和「すみません……」
<シュンとする>
晴陽「はぁぁぁぁぁ……」
<額に手を当て、大きなため息>
千和(やばい……これだけはわかる……)
<内心、白目で固まっている>
千和(多分、めっちゃやばいことになった……!)
<内心、心から『やばい』という顔>
晴陽「……いいか。バラすつもりなんかなかったんだよ。絶対ひとに言うな。わかったな」
<バッと顔を上げて、盛大に睨みつける>
千和「さっきもそう言ったじゃないですかぁ……!」
<泣きそうになる>
晴陽「信用できるか」
<吐き捨てるように>
千和「ひどいです!」
<つい勢いよく言ってしまう>
晴陽「なに? 文句でもあるのか」
<ムッとした顔>
○トンッ……(晴陽が千和を壁ドンして、顔を寄せる)
千和「ひゃ!?」
<赤くなって、ひるんでしまう>
晴陽「わかったかって聞いてるんだ」
<間近で、ささやくように、内容は尋問のよう>
千和「ひ、あっ、ちょ、近いです……!」
<真っ赤になって、戸惑っている>
晴陽「聞いてるんだから当たり前だろ」
<ムッとした顔>
千和(当たり前じゃないよ!?)
<内心、ツッコんでしまう>
晴陽「で? 返事は?」
<さらにずいっと迫る>
千和「う……、は、はい……、い、言いません……」
<びくびくした様子で受け入れる>
晴陽「よし。破ったら生徒会長権限で学校から追い出すからな」
<悪い笑顔を浮かべる>
千和「はい……」
<観念した様子>
『めっちゃやばいことになった』とは思ったものの……。
このあとの日々は『やばいこと』どころで済むのか、だいぶ怪しいと思ってしまった……。
○千和が持っているスマホの中、漫画
ナカオミ「俺……、ずっと言えなかったんだけど……」
<漫画の中、ナカオミが思いつめた顔でこころを見つめている>
こころ「え……?」
<ザッと風が吹き、こころの髪が揺れる、目を丸くするこころ>
ナカオミ「……っ!」
<思いつめた顔で一歩踏み出して、こころを抱きしめる>
こころ「わ、わ!? オミくん!?」
<慌てる>
ナカオミ「こころのことが……好きだ!」
<こころを強く抱きしめ、真剣に告白>
こころ「えっ……」
<目を真ん丸にする>
○漫画終わり
○漫画を読んでいた千和
千和「えええ……! ここで終わり!? 続きは来週!?」
<スマホには漫画の最後のページが映っている>
千和「あーんっ、焦らすよぅ!」
<惜しそうな顔で叫ぶ千和>
千和「早く来週にならないかな……、絶対くっつくと思うけど、まだわかんないよね」
<物足りなそうな顔で、最終ページを見つめる>
○千和の普段の様子
私、降矢 千和。
普通の高校2年生。
<ブレザーの制服に、ロングヘアの普通の高校生の格好>
今、ハマってるのはライムコミックスって配信サイトで連載してる漫画『きみのこころが知りたい』!
<配信サイトに載っている前述の漫画>
少女漫画カテゴリのランキングは毎回一位だし、学校でも読んでる子は多い。
<学校で女子たちが読んで楽しそうに話している様子>
千和(あとで芽生に話そうっと)
<スマホを胸の前で持って、楽しそう>
千和(もう読んだかな?)
千和(正午更新だからまだかも……ああっ早くこの胸キュンを共有したいっ!)
<ときめいている>
千和(それにしても……、この相崎先生ってほかになにも描いてないのかな)
<再びスマホに視線を戻して、不思議に思う>
千和(こんな人気漫画なのに、検索してみても、『きみここ』しか出ないんだよね)
<『きみのこころが知りたい』の横に『相崎 咲』と作者名が書いてある>
千和(ちょっと不思議かも)
<不思議そうに文字と絵を見つめる>
○キーンコーンカーンコーン(チャイムの音)
千和「あっ! もう昼休み終わる!?」
<ハッと時計を見る>
千和「そろそろ戻らないと……」
<立ち上がろうとする>
○ふわっと紙が飛んできた
千和「え?」
<不思議そうに見上げる>
○バサッ!(千和の顔にぶつかり、張り付く)
千和「ひゃぁ!」
<驚き、変な声を上げる>
千和「びっくりしたぁ……、なにこれ? 紙?」
<紙を剥がし、ちょっと苦しそうな顔>
○紙にはナカオミとこころが描いてある
千和「って、これ! ナカオミくんとこころちゃんじゃん!」
<紙の絵を見てびっくり>
千和「すご……、めっちゃうま……」
<まじまじ見つめてしまう>
千和「原作に超似てるし……」
<感激>
○上から声がかかる
晴陽「……おい」
<晴陽の低い声がかかった>
千和「えっ」
<驚いて見上げる>
晴陽「それ。返して」
<屋上の一番高いところに晴陽がいて、しゃがんでこちらを見ていた>
<冷たく、淡々とした言い方>
千和「へ? ……えっ、もしかして……相坂会長!?」
<変な声と顔をしてしまう>
<すぐに気付いて、驚く>
晴陽「え。……お前」
<一瞬、なにか思い当たったような顔になる>
千和「? 相坂会長……ですよね?」
<不思議に思って、再度聞く>
○トンッ(晴陽が下に降りてきた)
晴陽「……だったらなに。返してって言ってるんだけど」
<機嫌悪そうに言って近寄ってくる>
千和「こ、これ相坂先輩が描かれたんですか!?」
<驚いて紙の絵と晴陽を見比べる>
晴陽「勝手に見るなよ」
<機嫌悪そう>
千和「いや、だって飛んできたんですよ」
<焦って言い訳>
晴陽「飛ばすつもりだったわけないだろ」
<淡々と>
千和「そうじゃなくてですね」
<困ってしまう>
晴陽「いいから返せ」
<ぎろっと鋭い目で睨む、冷たい声>
千和「……っ、はい……」
<ひるんで、そっと紙を差し出す>
千和(び、びっくりした……あんな怖い目しなくても)
<内心、びびっている>
晴陽「ったく、ひとのものなんだから、さっさと返せよな」
<紙を取り返して、やれやれという様子>
千和「すみません……」
<一応、しおらしく謝る>
千和(ていうか……このひと、本当に相坂会長?)
<ちらっと晴陽を見上げて、不審に思う>
千和(生徒会長で、いつもにこやかなのに……まるで別人だよ)
<いつもにこやかでキラキラしている晴陽の様子>
千和(まさか人違い……)
<じーっと見つめる>
晴陽「ああ、ちょっと曲がっちまってる。くそ、まさか飛ばされるなんて」
<紙の折れたところを伸ばしている>
<胸元に生徒会長のバッジがきらっと光る>
千和(いや本人だ……! 生徒会バッジついてるもん!)
<ガーン、という様子>
千和(あ、ううん、それより……、これが相坂先輩の描いたものなら)
<ハッとする>
千和「あ、あの!」
<慌てて声を出す>
晴陽「なんだよ。もう用はない。早く帰ったら」
<冷たい視線を向けて言う>
千和(用はない!? そんな言い方なくない!?)
<ちょっとショック>
千和「えっと! 相坂先輩、すごく絵がうまいんですね!」
<諦めずに、笑顔を浮かべて褒める>
晴陽「……だったらなんだよ」
<警戒>
千和「ナカオミくんがとってもイケメンで、いきいきしてて……」
<つい勢いよく『きみここ』を語りだしてしまう>
晴陽「……」
<警戒の目>
千和「もしかして、相坂先輩……『きみここ』の……」
<期待を込めて見つめる>
晴陽「……はぁ。なんでわかったんだよ」
<ため息をついて、諦めたように言う>
千和「え、だってこんなうまいですし、それだけじゃなく、キャラに愛が感じられるっていうか! だからきっと……」
<明るい顔になって、語ったあとに、言いかける>
晴陽「そう。鋭いやつだよ」
<それを遮って、晴陽がぼそっと言う>
千和「……え?」
<言葉が止まる>
晴陽「そうだよ。俺が『きみここ』描いてんだよ」
<諦めた顔>
千和「……えっ」
<固まる>
晴陽「わかってると思うが、絶対よそに言うな。言ったらこの学校にいられなくなると思え」
<すごく怖い顔で睨む>
千和「はぇぇ……!?」
<超驚いて、変な顔と声>
晴陽「……なに? 言い当てたくせに、変な顔しやがって」
<不審そう>
千和「え、え、その」
<おろおろしてしまう>
晴陽「俺が少女漫画とか似合わないんだろ、どうせ」
<フン、という顔>
千和「……あの」
<おそるおそる>
晴陽「なに」
<軽く睨む>
千和「私……『だからきっと……大ファンなんですよね!』って聞くつもりだったんです……」
<申し訳ないという様子で、おずおずと言う>
晴陽「……は」
<息を吐き出し、固まる>
千和「ええと……す、すみま……せん?」
<心底すまなさそうに、おずおずと謝る>
晴陽「……マジかよ。嘘だろ」
<固まったあと、信じられないという様子で>
千和「すみません……」
<シュンとする>
晴陽「はぁぁぁぁぁ……」
<額に手を当て、大きなため息>
千和(やばい……これだけはわかる……)
<内心、白目で固まっている>
千和(多分、めっちゃやばいことになった……!)
<内心、心から『やばい』という顔>
晴陽「……いいか。バラすつもりなんかなかったんだよ。絶対ひとに言うな。わかったな」
<バッと顔を上げて、盛大に睨みつける>
千和「さっきもそう言ったじゃないですかぁ……!」
<泣きそうになる>
晴陽「信用できるか」
<吐き捨てるように>
千和「ひどいです!」
<つい勢いよく言ってしまう>
晴陽「なに? 文句でもあるのか」
<ムッとした顔>
○トンッ……(晴陽が千和を壁ドンして、顔を寄せる)
千和「ひゃ!?」
<赤くなって、ひるんでしまう>
晴陽「わかったかって聞いてるんだ」
<間近で、ささやくように、内容は尋問のよう>
千和「ひ、あっ、ちょ、近いです……!」
<真っ赤になって、戸惑っている>
晴陽「聞いてるんだから当たり前だろ」
<ムッとした顔>
千和(当たり前じゃないよ!?)
<内心、ツッコんでしまう>
晴陽「で? 返事は?」
<さらにずいっと迫る>
千和「う……、は、はい……、い、言いません……」
<びくびくした様子で受け入れる>
晴陽「よし。破ったら生徒会長権限で学校から追い出すからな」
<悪い笑顔を浮かべる>
千和「はい……」
<観念した様子>
『めっちゃやばいことになった』とは思ったものの……。
このあとの日々は『やばいこと』どころで済むのか、だいぶ怪しいと思ってしまった……。