完璧生徒会長はとろける甘さの恋を描きたい
【第8章】
○7話のシーンの続き
○つかつかと近寄ってくる晴陽
先輩女子1「か、会長……」
<一気に恐れた様子になる>
先輩女子2「これは……」
晴陽「なにをするつもりだったんだ、って聞いてるんだけど」
<鋭く睨んで尋問>
先輩女子たち「……」
<顔を見合わせ、黙ってしまう>
晴陽「それに千和の言う通りだ」
<千和の肩に手をかけ、自分に引き寄せる>
千和「晴陽……、……!」
<見上げた瞬間、胸に引き付けられていた>
<ほんのり赤くなってびっくりする>
晴陽「千和を選んだのは俺だ。それをお前たちがとやかく言う権利があるのか?」
<千和をしっかり抱きしめ、睨むように鋭く>
先輩女子1「会長……」
<切なげな顔>
晴陽「言いたいことがあるなら俺に言えばいいだろう。それを千和に対して因縁をつけるようにするなんて」
<淡々と、怒りを込めて>
先輩女子2「そんなつもりじゃ……」
<おどおどする>
晴陽「じゃあどんなつもりなんだ! 生徒会としても、そんな卑怯な役員は恥でしかない!」
<声を上げ、一喝する>
先輩女子たち「……っ!」
<すくみ上がる>
晴陽「それに千和が俺と釣り合わないなんて思わない。自分の意見をはっきり言って、正しくないと思うことは『違う』と言う強さを持っている子だ。それで、俺はそういうところを好きになったんだ」
<しっかり千和を抱きしめ、口に出す>
千和「晴陽……」
<晴陽の胸に手を添えたまま、ぼうっと見上げる>
晴陽「いいか、これ以上千和に手出しをするなら、役員を追放するからな。これは俺の私情だけじゃなく、そんな役員はうちの学校にはいらないからだよ」
<吐き捨てるように言う>
先輩女子たち「……」
<呆然と立ち尽くす>
晴陽「行こう、千和」
<千和の肩を抱く位置になり、うながす>
千和「う、……ん」
<戸惑いつつも、歩き出す>
○廊下のすみ
晴陽「はぁ……。あいつら、俺がいない隙を狙って……」
<廊下のすみまできて、ひと息つく>
<悔しそうに息を吐いた>
千和「う、ううん、遅刻したのは本当に私が悪いんだし」
<おろおろと説明>
晴陽「それは別の問題だろ! それにその遅刻だって正当な……、ああもう!」
<心配が伝わっていないことにもどかしくなる>
千和「わ……!」
<がばっと晴陽に抱きしめられた>
<赤くなり、なんとか受け止める>
晴陽「……っ、良かった……、お前が無事で……」
<心から安堵したという声>
千和「晴陽……」
<晴陽の背中に手を添えて、感じ入ったように>
晴陽「お前が傷つけられるなんて、絶対に嫌だから……」
<きつく抱きしめ、絞り出すように>
千和「……ありがとう」
<小さくお礼>
晴陽「なにがだよ」
<よくわからなくて聞き返す>
千和「助けてくれて……本当は、す、少し……怖かった、んだ」
<強がるが、声が震える>
晴陽「そんなの、当たり前だろ!」
<千和を離し、肩を掴んで正面から見つめる>
晴陽「先輩に責められたら怖いに決まってるし、俺がお前を助けるのも当たり前だ!」
<真剣に見つめ、きっぱり>
晴陽「お前、もっと自信を持てよ。『釣り合わない』なんて言うなよ……」
<悲痛な顔になる>
千和「ごめんなさい……」
<沈痛な顔になり、謝る>
晴陽「俺だって……、確かにスタートは秘密保持のためだったけど、付き合ってくうちに、もっとお前を……」
<真剣に告白しかけた>
○不意に別の声がする
葉「会長、すみません」
<感情のない表情>
○二人が振り返ると葉が立っていた
晴陽「……は?」
<千和から視線を外して、葉を見る。不審な顔>
葉「お取込み中、失礼します」
<淡々と>
葉「降矢さんにちょっと聞きたいことがあるんです」
晴陽「なんだ。生徒会の仕事のことならほかの……」
<ムッとする>
葉「いえ。芽生のことです。すぐに見つけないといけないんです」
<淡々と>
千和「あ、その……、さっき、ちょっとトラブルがあって……」
<慌てて千和から補足する>
<芽生のことを思い出し、ちょっと焦る気持ちになる>
晴陽「なんだっていうんだ」
<事情を知らない晴陽、不審そう>
千和「私も芽生を心配してたの。えっと、あとでちゃんと話すから」
<心配する気持ちが表情に出る>
晴陽「……っ、わかったよ」
<諦めて、そっと千和の肩から手を離す>
葉「お邪魔しまして失礼しました」
<感情なく謝る>
晴陽「まったくだよ」
<チッ、という顔で葉に視線をやる>
晴陽「じゃ、千和。夜……そうだな、電話するから。今日はもう帰れ」
<千和に向かい、優しく言う>
千和「わかった。ごめんね」
<すまなさそう>
晴陽「じゃあな。……煎条」
○歩き出し、葉の隣をすり抜けざまに
葉「……」
<黙っている>
晴陽「お前、余計なことすんじゃねぇぞ」
<ぼそっと、牽制するように>
葉「……会長に言われることじゃないです」
<感情のない表情で>
晴陽「フン」
<鼻を鳴らし、行ってしまう>
○千和と葉の二人になる
千和「その……煎条くん。芽生のことだよね?」
<ちょっとためらいつつ、聞く>
葉「ああ。ごめん、割り込んで」
<普段のような表情に戻り、すまなさそう>
千和「ううん。私も気になってて……ごめん、煎条くんと言い合ってるの、聞こえちゃったんだ」
<すまなさそうに説明>
葉「そうだよな。ちらっと姿が見えたけど、俺、動揺してて……」
<気まずそうな顔>
千和「言い合いなんてしちゃったらそうなるよ。それで? 芽生はまだ見つからないの?」
<フォローするように言って、心配そうに聞く>
葉「ああ。学校の行きそうなところをいくつか行ってみたんだが……ちょうど降矢を見つけたもんだから、聞いてみたらいいかなと思ったんだ」
<困ったように説明>
千和「そっか」
千和(み、見られちゃったのか……)
<抱きしめられたところを見つけられたので、少し気まずい>
葉「芽生が行きそうなところ、知らないか?」
<芽生が心配という顔>
千和「えっと、まずどこへ行ってみたの?」
<まず最初から考えてみようと思い、仕切り直すように>
葉「教室だろ、生徒会の別室だろ、屋上……」
<いくつか挙げていく>
千和「うーん……、あ、部室棟の渡り廊下かもしれない」
<少し考え、思いつく>
葉「え、どうしてそんなとこ?」
<不思議そう>
千和「とりあえず行ってみようよ。いなかったら別のところを考えよう」
<にこっと笑い、うながす>
葉「お、おう。ありがとう」
<戸惑いつつも、少し安心した顔>
○部室棟の廊下
千和「煎条くんも大丈夫? ショックだよね」
<渡り廊下へ向かって、歩きながら、葉を気遣うように>
葉「いや、俺も悪かったから……。最近、ついぶつかり合っちまうんだ」
<気まずそう>
千和「そうなんだ」
葉「あいつが俺を気にしてくれてるのはわかるけど……、俺も素直に受け入れがたいっていうか」
<くちびるを噛み締めたいというように>
千和「幼馴染なんでしょ? それなら、過ごしてきた時間のぶんだけ、色々あって自然だと思うよ」
<優しくフォローする>
葉「降矢……ありがとう」
<ほっとして、お礼>
○渡り廊下が近付く
葉「それにしても俺、情けないよな。仮にも幼馴染なのに、行き先も予測できないなんて」
<悔しそう>
千和「ううん。私で力になれるなら」
<にこっと笑う>
葉「それに、会長を邪魔にするようなことをして」
<気まずげ>
千和「それは……緊急事態なんだから」
<ほんのり頬を染め、やはり気まずげ>
葉「いや、本当は俺だけで探すべきだったんだ。でも……」
<視線を逸らし、言い淀む>
千和「うん?」
葉「会長とああしてるの見たら……つい、かっとして」
<視線を床に落として、ぼそっと言う>
千和「え?」
<意味がよくわからなかった>
葉「降矢。あの、さ」
<そろっと千和に視線を戻す>
千和「ん?」
葉「俺……、降矢に」
<張り詰めた顔で言いかける>
千和「……あっ」
<なにかに気付いた顔>
葉「え?」
<拍子抜け>
千和「聴こえた! フルートの音……」
○♪♪♪(フルートの音色)
○つかつかと近寄ってくる晴陽
先輩女子1「か、会長……」
<一気に恐れた様子になる>
先輩女子2「これは……」
晴陽「なにをするつもりだったんだ、って聞いてるんだけど」
<鋭く睨んで尋問>
先輩女子たち「……」
<顔を見合わせ、黙ってしまう>
晴陽「それに千和の言う通りだ」
<千和の肩に手をかけ、自分に引き寄せる>
千和「晴陽……、……!」
<見上げた瞬間、胸に引き付けられていた>
<ほんのり赤くなってびっくりする>
晴陽「千和を選んだのは俺だ。それをお前たちがとやかく言う権利があるのか?」
<千和をしっかり抱きしめ、睨むように鋭く>
先輩女子1「会長……」
<切なげな顔>
晴陽「言いたいことがあるなら俺に言えばいいだろう。それを千和に対して因縁をつけるようにするなんて」
<淡々と、怒りを込めて>
先輩女子2「そんなつもりじゃ……」
<おどおどする>
晴陽「じゃあどんなつもりなんだ! 生徒会としても、そんな卑怯な役員は恥でしかない!」
<声を上げ、一喝する>
先輩女子たち「……っ!」
<すくみ上がる>
晴陽「それに千和が俺と釣り合わないなんて思わない。自分の意見をはっきり言って、正しくないと思うことは『違う』と言う強さを持っている子だ。それで、俺はそういうところを好きになったんだ」
<しっかり千和を抱きしめ、口に出す>
千和「晴陽……」
<晴陽の胸に手を添えたまま、ぼうっと見上げる>
晴陽「いいか、これ以上千和に手出しをするなら、役員を追放するからな。これは俺の私情だけじゃなく、そんな役員はうちの学校にはいらないからだよ」
<吐き捨てるように言う>
先輩女子たち「……」
<呆然と立ち尽くす>
晴陽「行こう、千和」
<千和の肩を抱く位置になり、うながす>
千和「う、……ん」
<戸惑いつつも、歩き出す>
○廊下のすみ
晴陽「はぁ……。あいつら、俺がいない隙を狙って……」
<廊下のすみまできて、ひと息つく>
<悔しそうに息を吐いた>
千和「う、ううん、遅刻したのは本当に私が悪いんだし」
<おろおろと説明>
晴陽「それは別の問題だろ! それにその遅刻だって正当な……、ああもう!」
<心配が伝わっていないことにもどかしくなる>
千和「わ……!」
<がばっと晴陽に抱きしめられた>
<赤くなり、なんとか受け止める>
晴陽「……っ、良かった……、お前が無事で……」
<心から安堵したという声>
千和「晴陽……」
<晴陽の背中に手を添えて、感じ入ったように>
晴陽「お前が傷つけられるなんて、絶対に嫌だから……」
<きつく抱きしめ、絞り出すように>
千和「……ありがとう」
<小さくお礼>
晴陽「なにがだよ」
<よくわからなくて聞き返す>
千和「助けてくれて……本当は、す、少し……怖かった、んだ」
<強がるが、声が震える>
晴陽「そんなの、当たり前だろ!」
<千和を離し、肩を掴んで正面から見つめる>
晴陽「先輩に責められたら怖いに決まってるし、俺がお前を助けるのも当たり前だ!」
<真剣に見つめ、きっぱり>
晴陽「お前、もっと自信を持てよ。『釣り合わない』なんて言うなよ……」
<悲痛な顔になる>
千和「ごめんなさい……」
<沈痛な顔になり、謝る>
晴陽「俺だって……、確かにスタートは秘密保持のためだったけど、付き合ってくうちに、もっとお前を……」
<真剣に告白しかけた>
○不意に別の声がする
葉「会長、すみません」
<感情のない表情>
○二人が振り返ると葉が立っていた
晴陽「……は?」
<千和から視線を外して、葉を見る。不審な顔>
葉「お取込み中、失礼します」
<淡々と>
葉「降矢さんにちょっと聞きたいことがあるんです」
晴陽「なんだ。生徒会の仕事のことならほかの……」
<ムッとする>
葉「いえ。芽生のことです。すぐに見つけないといけないんです」
<淡々と>
千和「あ、その……、さっき、ちょっとトラブルがあって……」
<慌てて千和から補足する>
<芽生のことを思い出し、ちょっと焦る気持ちになる>
晴陽「なんだっていうんだ」
<事情を知らない晴陽、不審そう>
千和「私も芽生を心配してたの。えっと、あとでちゃんと話すから」
<心配する気持ちが表情に出る>
晴陽「……っ、わかったよ」
<諦めて、そっと千和の肩から手を離す>
葉「お邪魔しまして失礼しました」
<感情なく謝る>
晴陽「まったくだよ」
<チッ、という顔で葉に視線をやる>
晴陽「じゃ、千和。夜……そうだな、電話するから。今日はもう帰れ」
<千和に向かい、優しく言う>
千和「わかった。ごめんね」
<すまなさそう>
晴陽「じゃあな。……煎条」
○歩き出し、葉の隣をすり抜けざまに
葉「……」
<黙っている>
晴陽「お前、余計なことすんじゃねぇぞ」
<ぼそっと、牽制するように>
葉「……会長に言われることじゃないです」
<感情のない表情で>
晴陽「フン」
<鼻を鳴らし、行ってしまう>
○千和と葉の二人になる
千和「その……煎条くん。芽生のことだよね?」
<ちょっとためらいつつ、聞く>
葉「ああ。ごめん、割り込んで」
<普段のような表情に戻り、すまなさそう>
千和「ううん。私も気になってて……ごめん、煎条くんと言い合ってるの、聞こえちゃったんだ」
<すまなさそうに説明>
葉「そうだよな。ちらっと姿が見えたけど、俺、動揺してて……」
<気まずそうな顔>
千和「言い合いなんてしちゃったらそうなるよ。それで? 芽生はまだ見つからないの?」
<フォローするように言って、心配そうに聞く>
葉「ああ。学校の行きそうなところをいくつか行ってみたんだが……ちょうど降矢を見つけたもんだから、聞いてみたらいいかなと思ったんだ」
<困ったように説明>
千和「そっか」
千和(み、見られちゃったのか……)
<抱きしめられたところを見つけられたので、少し気まずい>
葉「芽生が行きそうなところ、知らないか?」
<芽生が心配という顔>
千和「えっと、まずどこへ行ってみたの?」
<まず最初から考えてみようと思い、仕切り直すように>
葉「教室だろ、生徒会の別室だろ、屋上……」
<いくつか挙げていく>
千和「うーん……、あ、部室棟の渡り廊下かもしれない」
<少し考え、思いつく>
葉「え、どうしてそんなとこ?」
<不思議そう>
千和「とりあえず行ってみようよ。いなかったら別のところを考えよう」
<にこっと笑い、うながす>
葉「お、おう。ありがとう」
<戸惑いつつも、少し安心した顔>
○部室棟の廊下
千和「煎条くんも大丈夫? ショックだよね」
<渡り廊下へ向かって、歩きながら、葉を気遣うように>
葉「いや、俺も悪かったから……。最近、ついぶつかり合っちまうんだ」
<気まずそう>
千和「そうなんだ」
葉「あいつが俺を気にしてくれてるのはわかるけど……、俺も素直に受け入れがたいっていうか」
<くちびるを噛み締めたいというように>
千和「幼馴染なんでしょ? それなら、過ごしてきた時間のぶんだけ、色々あって自然だと思うよ」
<優しくフォローする>
葉「降矢……ありがとう」
<ほっとして、お礼>
○渡り廊下が近付く
葉「それにしても俺、情けないよな。仮にも幼馴染なのに、行き先も予測できないなんて」
<悔しそう>
千和「ううん。私で力になれるなら」
<にこっと笑う>
葉「それに、会長を邪魔にするようなことをして」
<気まずげ>
千和「それは……緊急事態なんだから」
<ほんのり頬を染め、やはり気まずげ>
葉「いや、本当は俺だけで探すべきだったんだ。でも……」
<視線を逸らし、言い淀む>
千和「うん?」
葉「会長とああしてるの見たら……つい、かっとして」
<視線を床に落として、ぼそっと言う>
千和「え?」
<意味がよくわからなかった>
葉「降矢。あの、さ」
<そろっと千和に視線を戻す>
千和「ん?」
葉「俺……、降矢に」
<張り詰めた顔で言いかける>
千和「……あっ」
<なにかに気付いた顔>
葉「え?」
<拍子抜け>
千和「聴こえた! フルートの音……」
○♪♪♪(フルートの音色)