こじらせイケメン葉澄くんの愛が重い!
〇翌日の昼休み。
 潤・ちひろ・彩香は机をくっつけてお弁当を食べている。
 潤は昨日の放課後、葉澄と会ったことを話す。

潤「ってことがあってさ。はしゃぎすぎて嫌われちゃったかも」
ちひろ&彩香「あ~……」
彩香「気にしなくていいよ。御門くんって誰にでもあんな感じだし」
ちひろ「クールっていうか、なんていうか『俺に話しかけるなオーラ』出してるっていうか~……」

 ガラッと教室の扉が開き、葉澄が登校してくる。
 一瞬シンとなる教室。
 陽キャな男子集団が葉澄に声をかける。

陽キャ「お、御門今来たの? こっち来いよ」
葉澄「あー……、俺、弁当ないから。購買行くし」
陽キャ「そっか」

 昨日の潤に対するよりは葉澄の口調は柔らかいが、それでもクラスメイトとの間に壁があるような話し方。陽キャ男子も特別親しいわけではなく、気を遣って声をかけたような雰囲気。
 静かな教室。葉澄が出ていくとみんなようやく喋り出す。

ちひろ「イケメンなのにとっつきにくいのよ。あんまり人と話したがらないし」
彩香「ね~。だから、潤にだけ冷たく当たってるわけじゃないよ」
ちひろ「そうそう。目の保養だなーくらいに思ってたらいいよ」


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