こじらせイケメン葉澄くんの愛が重い!
○別の日の教室にて。潤、ちひろ、彩香の雑談。
ちひろ「――って、御門くんが納得するわけなくない?」
彩香「最近、落ち込んでるなと思ったらそんなことがねえ……」
様子のおかしい潤は、二人に問い詰められて引っ越しの事や葉澄と別れたことを白状してしまったのだった。
潤「ごめんね、二人にも黙ってて……」
彩香「それはまあ、ショックだけど……。これで縁が切れるってわけでもないでしょ!」
ちひろ「そうだよ。三月までまだあと半年あるんだし。それよか問題は……」
葉澄の席を見るちひろ。
ちひろ「確か、修学旅行までは欠席だったっけ?」
潤「う、うん。予定空けるために調整してるって言ってた」
顔を合わせずに済んで良かったような悪かったような……。
彩香は葉澄の公式SNSの画面を潤に見せる。
彩香「すごく落ち込んでるよ」
ちひろ「わお、構ってちゃんか?」
潤「…………」
『秋めいてきましたね。にぎやかだった夏が終わってしまって、心に穴が開いたみたいです』な投稿と、公園にぽつんと置き忘れられたサッカーボール……のような物悲しい雰囲気の風景ショット。
『なんだか寂しそう』『疲れてますか?』とファンのコメントもついている。
ちひろ「御門くんはメンタルが仕事に響くタイプなんだし、無理に別れなくてもいいんじゃない?」
彩香「そうそう。潤が申し訳なく思う必要はなくない?」
潤「うん……でも……」
ちひろ「それに、一方的に別れようなんて」
ちひろ「御門くんの気持ちを信用してないよね?」
厳しく言われた潤はハッとする。
「言いすぎ」と彩香がちひろをつつくが、ちひろは続ける。
ちひろ「潤ってさ、転校ばっかりだから、恋も友情も長続きしないって決めつけてない?」
ちひろ「……あたしたちって、その場限りの友情?」
潤「ち、違うよ!!」
ちひろ「だよね? ちゃんと友達だよね?」
二ッと笑うちひろ。
ちひろ「じゃあ、引っ越す前から『今日で友達は終わり』なーんて言わないよねぇ⁉」
潤「あ……」
ちひろの指摘に目が覚める。
葉澄の将来を思って身を引いたつもりだったが、一方的過ぎて葉澄を深く傷つけてしまったかもしれない。
彩香「御門くんと適当に付き合ってたわけじゃないんでしょ?」
彩香「『引っ越すから終わり』じゃなくて、潤は本当はどうしたいの?」
潤「……わたしは……本当は……」
潤(引っ越したくない)
潤(いつからだろう。別れが来るのが寂しくて、人に深入りしなくなったのは)
告白されても断って、なるべく人付き合いもグループに属するようにしていた潤。
潤(本当はいつも寂しかった)
自分がいついなくなってもいいようにしていたけれど、離れた後で見る友人たちのSNSは「本当ならわたしもここにいたはずなのにな」と潤を悲しい気持ちにさせていた。
潤「引っ越したくないし、別れたくないよ……」
「だよね」と顔を見合わせるちひろと彩香。
彩香「もう一度、御門くんと話してみなよ」
ちひろ「多分、同じ気持ちだよ」
潤「うん」
潤「ありがとう。わたし、ちひろや彩香と友達になれて良かった……」
ちひろ「やめてよ、まだ半年あるんだからー!」
彩香「そうだよ、今から寂しくなるようなこと言わないでー!」
女子三人で友情を確かめ合う。
潤モノローグ(葉澄くんともう一度話そう)
潤モノローグ(傷つけてごめんねって謝りたい)
潤モノローグ(それから、プロポーズしてくれたことだって……)
ちひろ「――って、御門くんが納得するわけなくない?」
彩香「最近、落ち込んでるなと思ったらそんなことがねえ……」
様子のおかしい潤は、二人に問い詰められて引っ越しの事や葉澄と別れたことを白状してしまったのだった。
潤「ごめんね、二人にも黙ってて……」
彩香「それはまあ、ショックだけど……。これで縁が切れるってわけでもないでしょ!」
ちひろ「そうだよ。三月までまだあと半年あるんだし。それよか問題は……」
葉澄の席を見るちひろ。
ちひろ「確か、修学旅行までは欠席だったっけ?」
潤「う、うん。予定空けるために調整してるって言ってた」
顔を合わせずに済んで良かったような悪かったような……。
彩香は葉澄の公式SNSの画面を潤に見せる。
彩香「すごく落ち込んでるよ」
ちひろ「わお、構ってちゃんか?」
潤「…………」
『秋めいてきましたね。にぎやかだった夏が終わってしまって、心に穴が開いたみたいです』な投稿と、公園にぽつんと置き忘れられたサッカーボール……のような物悲しい雰囲気の風景ショット。
『なんだか寂しそう』『疲れてますか?』とファンのコメントもついている。
ちひろ「御門くんはメンタルが仕事に響くタイプなんだし、無理に別れなくてもいいんじゃない?」
彩香「そうそう。潤が申し訳なく思う必要はなくない?」
潤「うん……でも……」
ちひろ「それに、一方的に別れようなんて」
ちひろ「御門くんの気持ちを信用してないよね?」
厳しく言われた潤はハッとする。
「言いすぎ」と彩香がちひろをつつくが、ちひろは続ける。
ちひろ「潤ってさ、転校ばっかりだから、恋も友情も長続きしないって決めつけてない?」
ちひろ「……あたしたちって、その場限りの友情?」
潤「ち、違うよ!!」
ちひろ「だよね? ちゃんと友達だよね?」
二ッと笑うちひろ。
ちひろ「じゃあ、引っ越す前から『今日で友達は終わり』なーんて言わないよねぇ⁉」
潤「あ……」
ちひろの指摘に目が覚める。
葉澄の将来を思って身を引いたつもりだったが、一方的過ぎて葉澄を深く傷つけてしまったかもしれない。
彩香「御門くんと適当に付き合ってたわけじゃないんでしょ?」
彩香「『引っ越すから終わり』じゃなくて、潤は本当はどうしたいの?」
潤「……わたしは……本当は……」
潤(引っ越したくない)
潤(いつからだろう。別れが来るのが寂しくて、人に深入りしなくなったのは)
告白されても断って、なるべく人付き合いもグループに属するようにしていた潤。
潤(本当はいつも寂しかった)
自分がいついなくなってもいいようにしていたけれど、離れた後で見る友人たちのSNSは「本当ならわたしもここにいたはずなのにな」と潤を悲しい気持ちにさせていた。
潤「引っ越したくないし、別れたくないよ……」
「だよね」と顔を見合わせるちひろと彩香。
彩香「もう一度、御門くんと話してみなよ」
ちひろ「多分、同じ気持ちだよ」
潤「うん」
潤「ありがとう。わたし、ちひろや彩香と友達になれて良かった……」
ちひろ「やめてよ、まだ半年あるんだからー!」
彩香「そうだよ、今から寂しくなるようなこと言わないでー!」
女子三人で友情を確かめ合う。
潤モノローグ(葉澄くんともう一度話そう)
潤モノローグ(傷つけてごめんねって謝りたい)
潤モノローグ(それから、プロポーズしてくれたことだって……)