乙女は今日も夢を見る


*****


「あ!高梨さん…!お疲れ様。テープありがとね」

「ううん。大丈夫だよ。如月さんたち準備の進み具合どう?」

教室に戻り、必要なグループに持ってきたテープを手渡していると、如月さんが笑顔で私に声をかけてきてくれる。

「だいぶはかどってるよ!この調子だと予定通り準備終わりそうだし、夏休み後半は楽できるよ〜」

「そっか…!順調ならよかった。あ、私も手伝うよ。何か残ってる作業ある?」

「んー、じゃあ、このお化け役の衣装縫うのお願いできる?」

「うん、大丈夫」

カタンと空いてる席に腰をおろし、お化け役の衣装になる白い布を縫い合わせていく。

如月さんは、お化け屋敷の飾りを作っているみたいで、折り紙やら新聞紙をのりでくっつける作業をしていた。

「あ…!そうだ。ねぇ、高梨さん。今日帰りにちょっとおやつでも食べて帰らない?最近、この辺に美味しいスコーンのお店ができたんだって。私、気になっててさ〜」

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