乙女は今日も夢を見る

ふいっと視線をそらしつつ、聞きづらそうにする観月くんに私はポカンとした表情を浮かべる。

私と、咲人が…?

付き合う…??

「いやいや、違うよ?付き合ってるとかじゃないからね。確かに仲は良いけど、咲人は友達だし…!というかそもそもアイツは私のこと女子として見てないから…!」

「…え?どうしてそう思うの?」

「だって、咲人好きな人いるって聞いたことあるもん!まぁ、誰かは私にも教えてくれないんだけど…」

「あぁ…そう、なんだ。なんか大谷くんのこと、ちょっと可哀想になってきたかも」

「な、なんで!?」

なぜか咲人のことを憐れみ出す観月くんの態度に私の頭の上には、はてなマークが飛び交う始末。

「いや、ごめん。こっちの話…。えっと、そしたら大谷くんと高梨さんは付き合って…」

「ないよ!」

「そっか…。よかった」

間髪入れず返答する私に、ホッとしたような表情を浮かべた観月くんはニコッと可愛く微笑んだ。

ん?よかった…??
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