乙女は今日も夢を見る

「それってどういう意味…?」そう観月くんに問いかけようとした時。

「ニャ、ニャ〜ン」

ガサガサッと草陰から飛び出してきたのはおもちだった。

あれ…?
なんか、おもちちょっと丸くなってない?

フリフリと機嫌よく尻尾を振り、観月くんにすり寄る身体は以前と比べてお肉がついたような気がする。

まぁ…私とか観月くんとかに良いごはんいっぱいもらってるもんな。

「ほら。おもちー、おやつだぞ〜」

「ニャン!」

というか、おもちの登場に気がそれて、観月くんへの声かけをするタイミングを逃してしまった。

「ほら、高梨さんもおやつあげる?」

「う、うん。ありがとう。でも…なんかちょっとおもち丸くなった気がしない?食べさせすぎたかな?」

「うーん、確かに言われてみれば…ちょっとフォルムが丸くなったかも…今日はおやつ2本までにしようか」

「そうだね…」

そんな会話をしながらおもちにおやつをあげていると、じわりと額に汗が浮かぶ。
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