乙女は今日も夢を見る

「高梨さんのお母さん、猫ダメなの?」

「うーん。そうみたい。でも、動物自体は好きなんだよ?ただ、猫はアレルギーみたいで…」

小さい頃、犬を飼っていたことがあったので勝手に大丈夫かなって思ってたんだけど…アレルギーと言われるとそれ以上何も言えなくて。

よしよしと、頭を撫でるとゴロゴロ気持ちよさそうに喉を鳴らすおもちに私は小さく微笑んだ。

「誰か里親見つけられないかな…」

「じゃあ俺、聞いてみようか」

…ん!?

「え…!?観月くんの家、動物大丈夫なの??」

ポツリと私が溢した本音に、すかさず反応を示してくれた観月くん。

そんな彼の方を私は反射的に振り返った。

「まぁ…親に確認はいるけど基本的にうちの両親、動物好きだし。実は近所に住んでる俺のじいちゃん達が猫飼っててさ…このおやつもちょっと拝借してたり?」

クスッといたずらっ子のような笑みを浮かべる観月くんは「じいちゃんにはナイショだけど」と付け加える。

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