乙女は今日も夢を見る
なにそれ…神様!?
突然の提案に未だ驚きつつ、私は真剣な面持ちでジッと彼を見つめた。
そして。
「本当に?でも、観月くんが飼ってくれるならそんな良いことないよ!おもちも絶対幸せになれるもん」
と、次の瞬間、私は満面の笑みを観月くんに向ける。
だって本心なんだもん。
観月くんが飼ってくれるなら安心だし。
すると。
「…っ」
なぜか、観月くんは急にバッと私から視線をそらし、しゃがみ込んだ。
「え、ゴメン…。もしかして困らせちゃった!?そうだよね、とりあえず親御さんに聞いてからって話なのに私ったら浮かれちゃってつい…」
「ニャン」
その時、おもちが私の手を離れ、しゃがみ込んだ観月くんの方にトテトテと進んだかと思うと、撫でてと言わんばかりにスリスリとすり寄った。
観月くんもそんなおもちの喉を優しく撫でる。
だが、未だに私と視線を合わせようとしない観月くんに私は不安が募った。
そもそも自分の家では飼えないくせに、もう決まった!みたいなテンションで、話してしまったことがよくなかったのだ。