乙女は今日も夢を見る
「ゴメン。無責任だったよね…。えっと、もし、観月くんの家で飼うことになったとしても私にできることあれば手伝うし…!何でも言って?ね?」
そう言って、未だに無言でおもちを撫で続ける観月くんに近づきソッと顔を覗き込む私。
え、あれ?なんか観月くん若干顔赤い…?
光の加減か、彼の頬がほのかに赤くなっているように見え、私は目をしばたたかせた。
「それほんと…?」
「え?」
「もし、俺の家で飼うことになっても高梨さんが手伝ってくれるっていう…」
「う、うん…!私にできる範囲なら!」
ようやく話しかけてくれた観月くんに安堵しつつ、私は大きく首を縦にふり、肯定の意を示す。
すると、次の瞬間。
「わかった、高梨さんも手伝ってくれるなら俺も親説得するわ…。もし、だめならじいちゃんの家で飼えないか相談してみるから」
「え、うん。ありがとう…」
バッと勢いよく立ち上がり、何か決心したように観月くんはそんな宣言を私にしてくる。