乙女は今日も夢を見る

最初こそ。

『うん、大丈夫。皆と仲良いよ〜』

なんて、フォローしていたが数ヶ月も経つと母の心配そうな目が心苦しくなってきて、最近は少し時間を潰して家に帰るようにしていた。

「…やることないのに、こんな場所で時間潰すとか…何やってんだろ私は…。やっぱり部活でも入るかなぁ。部活入れば友達できるかもだし…」

かといって、別にやりたい部活があるわけでもなく…。

「思い描いていた高校生ライフと違う」

私はポツリと小さく呟き、ソッとため息をこぼす。 

中学生の頃は、友達だって普通にいたし、それなりに楽しい学校生活を過ごしていた。

しかし、私の通う高校は、なぜか同中で仲良かった子は1人もおらず、中学生時代ほとんど話したことがない女子や男子がいるのみ。

なぜ、よりによって同中の子がほぼいない高校を選んでしまったのだろう。
< 12 / 230 >

この作品をシェア

pagetop