乙女は今日も夢を見る

「そうそう、言い忘れてたけど、悠理の高校の文化祭私も見に行こうかなって思ってたの。遊びに来ていい?」

「え、ほんと?来てきて。うちのクラスお化け屋敷やるんだよ」

突然の花鈴の申し出に私の声は上ずった。

見に来てくれると思ってなかったから素直に嬉しい。

「お化け屋敷ね。おっけー見に行くよ。てかさ、女子校って全然出会いないんだー。悠理の高校共学だし出会い多そうで楽しみ♡」

どちらかと言えば後半が彼女の本音なのだろう。

「うーん…。共学だからってそんなに出会いはないけどね〜…」

「なーに言ってんの。悠理はちゃーんと観月くんと出会ってんじゃん?私にも出会いおすそ分けしてほしいくらいだよ」

「観月くんは…友達だし。そういうんじゃ…」

「ふーん?じゃあ、私もとりあえず男友達ほしい!」

「まずもって、学校にいる男なんて教師くらいなんだぞ!」と至極当たり前のことを言う花鈴に私は曖昧に相づちを打つ。
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