乙女は今日も夢を見る
「わかった、わかった。あ!せっかくだし咲人も誘う?」
「えーっ!男連れで行ったらナンパされないじゃーん。それにアイツなまじ顔は良いから一緒に歩きたくないー」
心底嫌そうにそう言ってのける花鈴に私は苦笑いを浮かべた。
本音に切実に…花鈴ってば出会いがほしいんだな。
「まぁまぁ、そう言わずに。とりあえずチャットでメッセージだけ送ってみるね?」
「しょうがないなぁ…」
チッと軽く舌打ちを打つ花鈴。
「というか、今更だけど花鈴って咲人はナシなの?イケメン好きじゃん?」
「は…?あんた本気で言ってる…?」
呆れたように「やれやれ…」と呟き、花鈴は盛大にため息をこぼした。
「な、なんでそんなに馬鹿にしたような言い方なの?」
「全くこの鈍感ちゃんは…とりあえず私が1つ言えることは、他に好きな人がいる男は対象外ってこと。特に超絶一途…とかね〜」
「そっか…確かに咲人って好きな人いるって前言ってたもんね。はっ!もしかして、花鈴は咲人の好きな人知ってるの…!?私、教えてもらってないんだけど…」