乙女は今日も夢を見る

彼方くんは、いっつも美味しいおやつを持ってきてくれるから大好き。

彼方くんがいるってことはやっぱり何か美味しいものを持ってきてくれたに違いない。

「ニャン」

そう考えた僕は、悠理ちゃんの手を離れ、尻尾を振りながら、ゆっくり彼方くんの方に歩み寄る。

ゴロゴロと喉を鳴らし、彼方くんに「おやつちょうだい」のアピールをする僕。

しかし、今日はいつもと何か雰囲気が違うような…。

そもそも、彼方くんが持ってる大きな籠はなんだろう?

サッと地面に籠を置いた彼方くんが籠の入り口を開いた。

「ほら、おもちー!おやつだぞ〜」

「ニャ!?」

なんとビックリ。

籠の中にはたくさんのおやつが入っているではないか。

缶詰に…キャットフード。
これは前にもらったペロペロ食べるやつ!

ここは天国か…?

美味しそうなおやつの匂いにつられ、僕はソロソロと籠の中に足を踏み入れた。

全部食べていいの…?と彼方くんの顔を見ると笑顔で頷いている。

これはいいよってことだ!

そう察した瞬間、僕は勢いそのまま美味しいおやつの山にダイブしたのだった。
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