乙女は今日も夢を見る

それが功を制したのか、はたまたおもちの食い意地のおかげか…見事におもちは現在カゴのなかで幸せそうにおやつを食べている。

「カゴに入るの嫌がって暴れちゃう猫もいるって聞いてたからどうかなって思ってたけど…」

「心配無用だったな」

「ね!」

観月くんに相づちを打ち、私はグッと伸びをした。

カラッと晴れた夏空が気持ちいい。

だが、今日も暑くなるという予報だったから昼過ぎは気が滅入る。

「あ…!そう言えば観月くんのおじいちゃんの家ってどのくらいかかるの?」

「学校から歩いてで10分くらい。俺の家より学校の近くにあるんだよ。カゴは俺が持つから早速行こうか」

観月くんに促され、私は彼の後を追って歩き出す。

今日も校内では文化祭の準備をしているクラスがいくつかあるようで、校舎の方には人影が見える。

ちなみに私のクラスは予定以上にスムーズに準備が進んでほぼ完成。

あとは、始業式の日、放課後少し残ればいいだろうということで残りの夏休み期間は準備はなしということになっていた。

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