乙女は今日も夢を見る
「ニャン」ときなこが、ひと声鳴いたのを皮切りにおもちも「ニャー」と鳴く。
それはまるで、挨拶でもしているかのよう。
「ニャー、ニャン」
「ニャ!」
しばらくすると…きなこがそっとおもちの匂いを嗅ぎ始めた。
ケンカにならないかと、ドキドキと緊張している私達4人の心配をよそに、いつの間にか2匹はじゃれ合って遊び出していて。
そしてその姿を我関せずといった感じで、あくびをしているあんこ。
よかった…とりあえず、他の猫ちゃん達とうまくやれそうね。
「あら〜、きなこもすっかり、おもちちゃんが気に入ったみたいね。うふふ。よかったわ」
「あぁ、どうなるかと思っとたがこの調子なら大丈夫じゃろ」
観月くんのおじいさん、おばあさんも嬉しそうにそんな2匹の様子を眺めていた。
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「あら、もう帰っちゃうの?悠理ちゃんまたいつでも遊びにきてね?」
「悠理ちゃんならいつでも大歓迎だよ」
「ありがとうございます」
おもちもすっかり観月くんのおじいさんの家に慣れてきた頃、私は帰りの準備をしていた。
時刻は14時過ぎ。
「あ、お昼までご馳走になってしまって…」
「いいのよ〜。簡単なものしかできなくてごめんなさいね。次、来るときはもっと美味しいものを準備しとくわ」