乙女は今日も夢を見る

「だよね〜。せっかくの夏休みだっていうのに後半はほぼ課題漬けの毎日…私等の青春どこって感じよ…」

「何言ってんの。アンタそんなこと言いつつ、夏祭り彼氏と行ってたでしょ?SNS見たんだからね」

「あは。バレちゃった〜?」

そう言って笑う女の子達につられて、私も自然と笑顔になった。

よかった。ちゃんと普通に会話に入れてもらえてる…!!

そんな小さな幸せを噛み締めていると。

「高梨さん、おっはよ〜。皆もおはよー」

私の肩をポンッと叩いて、挨拶をしてくれたのは如月さんだ。

「如月さん…!おはよう」

「唯南おはよ」

「おはー」

私に続いて、一緒に会話をしていたクラスメイトの女の子達も笑顔で如月さんに声をかけた。

「なになにー?何の話〜?」

「それがさー。夏休み中のハナのSNSってば彼氏との写真ばっかりで…」

「あ…!見た見た。ハナ、ショート動画も上げてたもんね〜」

「えへへ」

如月さんが会話に加わるだけで、その場が和気あいあいと盛り上がりを見せる。
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