乙女は今日も夢を見る

その後、用意された薬もしっかり服用し俺は着替えまで済ませるとゴロンとベッドに横になる。

ピピッ。

熱が下がったか確認するために再度体温を測ってみた。

結果は、【37.6】

まぁ…今薬飲んだばっかりだし次起きた時にはもう少し下がってるかな?

スマホのチャットを見ると、畠中をはじめクラスの仲良い奴らからメッセージがきていた。

けど…。

「高梨さんからは…きてないか」

と若干、落ち込む俺。

同じ学級委員だし、俺としてはここ数ヶ月でそこそこ距離が縮まった気はしてたんだけど…。

やっぱり、如月から俺のこと何か聞いたのかな…?
いや、もしかしたら俺の知らない所で大谷くんと…。

体調不良の時って、思考がネガティブになるって聞くけど本当だわ。

ハァ…と盛大なため息をつくと、俺はスマホを枕元に置く。

如月から嫌われている理由は高梨さんにちゃんと話さないといけないと思ってはいた。

どうせなら自分の口から伝えたいし…。
けど、正直、軽蔑されるんじゃないかって思うと勇気が出なくて。
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